ネイティブや翻訳者だからって完璧ではない!?翻訳会社が伝える3つの教訓

皆さんは翻訳を依頼する時にネイティブが翻訳するなら大丈夫だと思っていませんか? 母国語なんだから綺麗に翻訳されると思っている人が大多数だと思います。ただ、これは大きな間違いです。また、翻訳者だからといって何でも翻訳できるわけではないんです。今回はアドリンクが翻訳事業を始めた頃の話をしたいと思います。
 

教訓① 〜ネイティブだからといって翻訳が得意なわけではない〜

経歴優秀な中国人留学生Aくん


まだまだ売り上げもメンバーも少なく、体制自体も整っていなかった頃です。その当時、中国人スタッフとして加わってくれたAくんという中国人留学生がいました。 経歴だけ見たら某有名大学在学中で日本語検定1級とTOEIC800点オーバーということでかなり優秀でした。なので、応募してきてくれた時には、すぐにスタッフとして採用しました。そして、Aくんにとって最初の仕事がきました。飲食店のメニューを日本語から中国語に翻訳する案件だったと思います。比較的量が少なく、簡単な案件だったのと、最初の仕事だったこともあって気合いが入っていたのか仕事を振った数時間後に翻訳完了して提出してきました。「さすが!」と感心していたのですが、いざチェックしてみると唖然としました。

不自然な文章に・・・


確かに意味は合ってました。ただ、全部直訳すぎて、文章としてはかなり不自然でした。
日本語で例を挙げるとすると、

  • 「生ハム」→「生なハム」
  • 「苺がたっぷり入ったケーキです。」→「苺がたくさん入ってます。ケーキです。」

など、そのままでは使えない文章になっていました。これにより経歴優秀で英語や日本語検定の点数が高いことと、わかりやすい文章を書けるかどうかは全く別物だということが身に染みてわかりました。確かに、日本人でも国語に難がある人がいますよね。翻訳する時に直訳するのではなく意訳によって、その国特有な言い回しに変えなければ、違和感のない文章にはなり得ません。これにより、ネイティブであれば綺麗な翻訳ができるという幻想は打ち砕かれました。

教訓② 〜経験者だからといって自然な文章に翻訳できるわけではない〜

通訳・翻訳経験者で超優秀なトリリンガルの日本人Bさん


Bさんという日英中の3ヶ国語話せるトリリンガルで優秀な日本人スタッフがいました。彼女は親の海外転勤により日英中で実際に生活していたことから、ネイティブレベルの言語能力を備えていました。さらに、このBさんは通訳・翻訳の経験者で、他社でも通訳・翻訳の両方を仕事でやっていたそうです。そんな優秀なBさんなので、アドリンクに面接に来て即戦力としてすぐに採用されました。今でこそアドリンクにはトリリンガルの日本人がたくさんいますが、この時はBさん1人だけで、すごく期待されていたようです。そんな期待通り、持ち前のコミュニケーション能力の高さと経験者ということで通訳は難なくこなしてくれていました。ただ、Bさんに翻訳の仕事を振ることは在籍期間中一度もありませんでした。

こんな優秀なBさんに翻訳を頼まなかった理由は・・・


実はこのBさん、話す能力はものすごく高かったんですが、作文能力が壊滅的だったんです。先ほどのAさん同様に意訳と直訳が混ざっていて、すごく読みにくい文章になっていたり、そもそも文章になっていなかったりしました。結局Bさんには翻訳の仕事をアドリンクからまわすことはなく、通訳に徹してもらいました。アドリンクが翻訳者に求めているレベルはかなり高いので、どんなに優秀で経験者であっても、おいそれと任されることはありません。

教訓③ 〜プロの翻訳者だからといって何でも翻訳できるわけではない〜

プロでも門前払い?

これは翻訳業界では当たり前なのですが、普通、熟練の翻訳者ならどんなものでも翻訳できると思いますよね。でも、全くそんなことはないんです。今翻訳を担当させてもらっているwebサイトがあるのですが、ここではプロの翻訳者でもある条件を満たしていないと翻訳することはできません。

その条件とは・・・

20代の女性であること。実はこのwebサイト、20代の女性向けのファッションを取り扱っているので、熟練の男性翻訳者を必要としていません。理由は、その世代、性別の言葉や好みは結局同じ層の人にしかわからないからです。確かに、今でこそよく聞く「壁ドン」「エモい」ですが、世代が少しでも違うと最初のうちはどんな意味かさっぱりわからなかったですもんね。そんなわけで、「今流行っている」が大切なwebサイトでは同じ感覚を持っていない熟練の翻訳者では翻訳することはできません。

まとめ

アドリンクでは採用の際に経歴だけでなく独自の翻訳テストを実施し、さらに研修として実際の翻訳してもらってから採用しています。このように翻訳者を育てる体制も整っているからこそ、ノウハウが溜まりスピードと質を高めることができています。また、案件ごとに時事性、専門性、ターゲット、ニュアンス、原文に対する筆者の思いなどに応じて、翻訳者を選定して業務に当たってもらっています。これにより精度の高い翻訳が可能になっています。

確かにスポットで、知り合いの外国語が話せる人、たまたま採用した留学生に翻訳をお願いするのはコストダウンを図れるかもしれません。ただ、前回記事(あなたのお店でもやっていませんか?アルバイトに翻訳を頼むリスクとは)でも書きましたが、安易にそのような形で翻訳を依頼してしまうのはリスクがあるのかもしれません。また安さだけを見て翻訳会社を選ぶのもかなり危険です。実は今日も安い翻訳会社に翻訳の依頼をしたら、全てやり直しになってしまい、アドリンクに翻訳を再依頼したいというお客様がいました。つまり、精度を高くするのであれば身近な知り合いや自社のアルバイトスタッフ、安さ重視の翻訳会社への依頼よりも体制の整っている専門機関に頼んだ方が結果的にコストパフォーマンスが良いのかもしれません。これから翻訳を検討されているのであれば、一度その辺りも考慮した上で依頼先を選んでみては如何でしょうか。また、別記事で翻訳会社を選ぶ時の注意事項を書こうと思っています。お楽しみに。