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低い合格率「通訳案内士」が規制緩和?それでも人が増えない理由

記事の目次

  • 6月 12, 2017
  • 通訳・翻訳
  • 問題, 翻訳通訳会社が教える
訪日外国人が2400万人を超え、これからも増加して行くことが伺える昨今、2017年6月2日に通訳案内士の規制緩和について閣議決定しました。今回はそれについての理由やこれからどうなるのかを翻訳通訳を生業にしているアドリンクが予想していきたいと思います。
通訳案内士とは
通訳案内士(つうやくあんないし)とは、観光庁長官が実施する国家試験「通訳案内士試験」に合格して、通訳案内士として登録した者のみが従事でき(業務独占)、観光客に対して外国語通訳及び観光案内を行って報酬を得る職業。外国観光客相手のプロの観光ガイドのこと。
wikiより

新法になる理由〜政府側の見解〜

言語の偏り

通訳案内士の登録人数は2016年4月時点で計2万747人。その約7割は「英語」が専門です。訪日外国人は東アジアと東南アジアで全体の8割超を占めているため、ミスマッチが課題となっています。そのため、英語以外の言語でのガイドを増やすのが急務になっています。

都心への偏り

通訳案内士の登録人数のうち東京、大阪などの都市部に住む資格保有者は1万5521人で全体の75%を占めています。一方、地方は5226人で25%にとどまっています。そのため、地方のガイドを集めるのが難しくなっています。

新法になる理由〜実態〜

資格取得と質の担保

通訳案内士の試験は毎年1回あり、外国語に加え、地理や歴史、政治などの筆記テストと口述テストがあります。専門言語は10カ国語で、昨年度の試験では2404人が合格、合格率は21.3%。早急に英語以外の言語のガイドを増やしたいが、年1回の試験で合格率も低いため、このままでは難しいのが現状でした。また、資格試験にはガイドや通訳としてのレベルを保証するような項目は特にありません。そのため、資格を持っているからといって、素晴らしいガイドや通訳であるとは限りません。

給料の低さ

通訳案内士の一般的な初任給の相場は、20万円程度です。しかし、実際は、通訳案内士は正社員としての雇用形態はほとんどなく、依頼を受けてスポットで仕事をすることになるため、収入は不安定です。平均すると、1日のガイドで日当は、10,000〜30,000円が相場となるそうです。国の統計によると、通訳案内士の年収で、もっとも多いのが「100万円未満」になっています。また、年間の稼動日数も「30日以下」が半数以上を占めているようです。そのため、通訳や翻訳などと兼業されている方が多いです。

新しい通訳案内士法

① 通訳ガイドの量の確保

通訳案内士資格について

業務独占から名称独占(※)へと規制を見直し、幅広い主体による通訳ガイドを可能にします。
※資格を有さない者が、当該資格の名称や類似名称を用いることができないとする規制。

通訳案内士について

全国対応のガイドである全国通訳案内士に加えて、地域による地域に特化したガイドである地域通訳案内士の資格制度を創設します。

② 通訳案内士の質の向上

全国通訳案内士の試験科目に実務項目を追加する等適正化するとともに、全国通訳案内士に対し定期的な研修の受講を義務付けます。

アドリンクが施行後を予想

効果がある面

ボランティア通訳ガイドが有償化

現在、学生や地域の無償ボランティアでの通訳ガイドはかなり多く、これらが有償でも可能となれば、そちらに移る可能性は高いです。そのため、有償の通訳ガイドは増えると思います。

効果がない面

資格取得数の減少の可能性

たしかに、無資格者と有資格者の区別がされて、有資格者がある程度優遇されるようになると思います。有資格者の方がガイドの質が高いとなれば、需要が高まり、給料が上がる見込みはあります。しかし、そもそも有資格者の給料が低いため、資格の有無で区別されたとしても、年収の平均値がそこまで上がるのかは疑問です。また、給料面が安定しないにもかかわらず、定期的な研修の受講を義務付けられるのであれば、時間的制約も多くなるので資格取得のメリットが見えて来ません。

地方でのガイドは増えない

地方はそもそも人が少ないため、有資格者が少ない傾向にあったと考えられます。そのため、今回の規制緩和をしても地方に移る人が増えるようなものではないため、地方ガイドの増加は見込めそうにはありません。どちらかといえば、地方ガイドの給料の底上げや地方でガイドをするメリットを高める必要があるように思います。

英語以外のガイドは増えない

英語学習者が多い日本において、中国語や韓国語の話者は相対的にかなり少ない傾向にあります。翻訳通訳を生業にしているアドリンクだからこそ言えますが、質の高い通訳者は本当に少ないです。さらにガイドもできる人は雀の涙ほどではないでしょうか。確かにアジア圏の需要は高いですが、給料面を見るに、中国語や韓国語を改めて勉強をし直すほどのメリットがあるのかは疑問です。そのため、規制緩和したところで英語以外のガイドが増えるとは思えません。

まとめ

規制緩和しても無償ボランティアでの通訳ガイドが有償化するので、バイト感覚で始める人は多そうです。しかし、地方や英語以外の言語での通訳ガイドが増えるとは思えません。参入にするにあたっての魅力をもっと増やす必要がありそうです。

そこで、新法以外でアドリンクが考える解決策

オンラインでの通訳ガイド

 

現在のガイドの仕事では実際に現地に行って、ほぼ付きっ切りで案内するのでかなり大変です。もし、オンラインで案内できるようになれば、手間が省けて、都市集中で地方の通訳ガイドを増やす必要もなくなります。今はskypeやテレビ電話なども容易にできるため、難しくはないです。アドリンクでもテレビ電話などを活用した通訳をしていますが、需要は高まっていると肌感覚で感じています。

給料の安定化

そもそもこんなにもインバウンドで盛り上がっているにも関わらず、年収100万円未満が大半を占めている職業に就くのは難しいでしょう。そのため、給料の安定化が必要になります。安定収入が見込めて初めて職業として成り立つのではないでしょうか。

給料面と質の担保が課題

日本の魅力をさらに引き出して、訪日外国人にまた来たい、住みたいと思わせるプロ、通訳案内士。これからも需要はどんどん増加していくのは明白です。

しかし、稼げなければ、そもそも働けません。元々の通訳案内士は能力の必要条件がすごく高く、優秀な人材なので、もし他でならば楽々年収1000万円を超えるでしょう。そんな人が年収100万円未満ではかなり難しい。そうすると、優秀な人はやりたがらないので、質の低下を招く可能性があります。

確かに、今回の法改正で副業や学生たちが簡単にできるようになるため、有償の通訳ガイドは増えると思います。しかし、誰でも有償での通訳ガイドができるため、今まで以上に質は下がるでしょう。

よって、給料面と質の担保のバランスがこれからの課題になっていきそうです。

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