【サクラノミクス】日本の桜、花見文化におけるインバウンド事情2018

日本の春といえば桜の季節です。

ある試算によれば、日本の花見の経済効果は東京五輪級とも言われています。そんなビッグコンテンツである花見ですが、近年訪日外国人観光客の間でも花見を楽しみたいというニーズが高まっています。

桜の時期に訪日客は多い

【月別】訪日外国人数比較(2013〜2017年)

JNTO統計データ(訪日外国人・出国日本人)

桜の時期に訪日外国人が多いことを過去5年間のデータから見ていきましょう。

上記のグラフを見ると、1番多いのが7月で桜の時期になる4月は2番目の10月と肉薄して3番目になるのがわかります。

【月ごとの年間割合】訪日外国人数比較(2013〜2017年)

JNTO統計データ(訪日外国人・出国日本人)

より見やすくするために、月ごとの訪日外国人数における年間の割合を出して、よりどの月が多いのかを調べてみました。

そうするとこちらでも桜の時期である4月は年間3番目に訪日外国人数が多いことが見て取れます。

1年間で4月に日本に来る割合の高い国(2013〜2017年)

アジア

JNTO統計データ(訪日外国人・出国日本人)

訪日外国人数では圧倒的に韓国、中国、台湾の東アジアの隣国が多いですが1年間の4月の割合を出すと意外なことにイスラエルが18.7%と一番多い結果になりました。つまり、イスラエル人にとって4月は人気があるということになります。ハラール対応をしっかりすれば集客できそうです。

欧米

JNTO統計データ(訪日外国人・出国日本人)

こちらも意外な結果になりました。1番比率が高かったのはスイス人でした。今年だけが高いのではなく、この5年間ずっと桜の季節によく来ている計算になります。旅行支出も高いため、狙い目かもしれません。

桜開花を調べるアプリやHPもインバウンド対応

桜の開花予想アプリ「桜のきもち」

桜の開花情報やお花見スポットを知りたいというニーズに合わせて日本気象株式会社は桜の開花予想アプリ「桜のきもちのリリースを2018年3月5日に発表しました。
日本語以外に訪日外国人対応として英語、中国語(繁体字)も用意されており、全国約1000か所の桜の名所を地図で確認できる他、開花・満開予想日等を確認することができる他、桜スポットの近くになると開花予想日等を通知してくれる機能もついており、訪日外国人だけでなく日本人が桜の美しさをもっと楽しむためのアプリとして活用することができます。

「Cherry Blossom Reports」

英語圏に住む訪日外国人観光客の多くが参照するウェブサイト、「japan-guide.com」によると毎年多くの外国人ユーザーから花見の開花時期についての問い合わせがあるとのことで、ニーズに応えるべく2009年から「Cherry Blossom Reports」という桜の開花情報を3月後半から5月上旬にかけてレポートするページを開設しています。

桜に合わせたツアーも

桜を活用した団体ツアーを企画し、訪日外国人観光客の誘致に取り組むのは名張市と奈良県宇陀市、曽爾、御杖、山添、東吉野4村で作る観光振興団体「東奈良名張ツーリズム・マーケティング」(ENN)です。
ENNでは「ミッション・インポッシブル2」や「レッドクリフ」で世界的に知られる香港出身の映画監督、ジョン・ウー監督が福山雅治さん主演で制作した映画、「マンハント」のロケ地となった山添村のキャンプ場「カントリーパーク大川(おおこ)」の桜の他、6市村の桜の名所を巡る団体旅行コースを企画・PRすることで中国や香港をからの観光客の誘致を目指しています。

桜の開花期に合わせ、3月下旬~4月上旬と4月中旬~下旬の2つの日程を用意し、どちらも1泊2日で桜を満喫できる他、温泉や薬膳料理等も紹介する等の企画を用意しています。

花見のマナーや楽しみ方の周知も必要

花見の文化は日本人だけではなく、外国人の間にも広がりを見せていることはインバウンド誘致という点において全国的にもそれぞれのエリアのお花見スポットを紹介できるという点で一役買うことは間違いなさそうですが、日本人なら共有できている花見のマナーが外国人観光客にとっては勝手がわからず、知らず知らずのうちにマナー違反をしてしまっていることが問題視されているという側面も見逃せません。

外国人観光客の誘致に桜の美しさをアピールしつつ、正しい桜の楽しみ方の周知を徹底していくことが必要となるのではないでしょうか?