【こんなところでも対策が?】各地で英語力を向上する取り組み

順調に増え続けている訪日外国人観光客ですが、いわゆるゴールデンルートだけではなく地方も観光スポットとして賑わいを見せつつある様子に収益アップの期待を持つのは政府や観光業界だけではなくなりましたが、その反面受け入れ態勢の整備も求められています。
中でも言語についての問題は依然として残っているのが現状です。

日本人の英語力の低さ

迎え入れた訪日外国人観光客をもてなす上でどうしても必要になってくるのが多言語対応です。特に英語対応についてはアドリンクでも過去に重要性について記事にしています。

記事内でも触れた通り、接客する側である飲食店や小売店等で働く人々のおよそ7割が片言や単語でのコミュニケーションが中心で、接客に英語を使用することに不安を感じているということでしたが、この傾向は業種を問わず全国的に同じであり、日本人の英語力の低さが表面化した問題と言えるでしょう。

英語力向上の取り組み

語学習得には時間が必要になるので付け焼刃的や対策だけでなく、長い目で見た学習の仕組みや制度が必要となりますが、そんな中で積極的な取り組みを見せている事例を2つご紹介します。

大阪大学が取り組む医療通訳の養成

飲食店や小売店であれば言葉が通じていなくてもメニューを指差しや片言のコミュニケーションである程度以上の目的を果たすことができますが、コミュニケーションの正確性が重要となる場面も多数存在しています。
人の命を預かる医療がその代表的な例ですが、日本人同士であっても病状や治療方針等を正確に伝えあうのに齟齬が生じることもある、繊細なコミュニケーションが要求される現場です。
増え続ける外国人観光客に伴い医療機関を受診する外国人も増加している中、大阪大学は外国人観光客と意思の間で専門用語を含めたコミュニケーションの橋渡しを行う医療通訳の養成講座を2015年から常設し、医学部が指導を行うことで3年間に100名の医療通訳士を輩出しました。

英語応対能力検定公認の学習デバイス

一方、本来のおもてなしの担い手となるサービス業では、接客での英語対応の場面が日に日に増えており、事情は医療現場よりも切実です。

そこで聞く能力と話す能力に重点を置いた「英語応対能力検定」によって接客の実情に沿った英語学習を行い、学習目標や評価をすることで底上げを図るという取り組みが多くの企業の賛同の元スタートしています。

松屋、三越伊勢丹といった大手百貨店やビックカメラのような家電量販店等では既に導入が始まっており、松屋では2018年度の新入社員研修でこの検定を導入し、検定公認の学習デバイスを利用して学習を行い、6月、9月と2度の試験で成果を確認することになっています。

攻めのインバウンドに欠かせない言語対応は課題であり続ける

政府は「日本再興戦略2016」で医療分野でのインバウンドへの取り組みを発表しており、観光とは別の切り口でのインバウンド需要が見込めるということもあり大きなビジネスチャンスとなる可能性を秘めています。

しかし、大阪大学の取り組みの事例のように医療現場で必要なのは医療通訳士であり、また病院に勤務する医師を含めたスタッフの英語力向上でもあります。
時間がかかる取り組みではありますが、日本が観光立国であるためには言語対応は学校教育レベルでの英語教育の見直し等も視野に入れた長期的な課題として取り組むべき重要事項と言えそうです。