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【行政熱視線】イベント民泊の効果を調べてみた。

訪日外国人の増加に伴い、国内でも様々な対応に追われる場面が増えていますが、中でも懸念されているのが宿泊施設の不足問題です。
この問題をクリアするための対策の一つとして民泊があります。中でもイベント等の一時的なニーズに対応できるとして期待されているのがイベント民泊です。

イベント民泊とは

イベント民泊とはイベントの開催される時に自治体の要請等により自宅を旅行者に提供する行為を指しています。

イベント民泊の場合は通常の民泊のような旅館業法による許可を必要としないため、施設提供者側は祭りや花火大会、コンサート等のイベントが開催される一時的なニーズに対応することが出来る他、イベント後に宿泊したゲストが翌日に当該地域で観光をすることによる観光消費拡大も見込まれ、観光による地方創生に一役買う制度として注目を集めています。

イベント民泊の事例

このようにイベント参加者が宿泊を希望しても宿泊施設がない、というニーズとイベント時期だけのために宿泊施設を新たに作ったとしてもイベント以外の時期には観光客もなく持て余してしまう、という事情を両方とも解決できるイベント民泊ですが、各地でイベント民泊の事例が出てきています。

徳島県は阿波踊り期間に合わせて運用

阿波踊り期間中の宿泊施設不足解消のために徳島市はイベント民泊を実践、市の要請に対して期間中に自宅を宿泊施設として提供したのは26名、宿泊延べ人数は275人に上りました。

今回のイベント民泊は、外国人観光客の利用も多く、アメリカ、フランスをはじめイタリア、スウェーデン、台湾、中国などからのゲストが利用したそうで、イタリアからのゲストは民泊によって「日本の文化を知ることができた」、「阿波踊りの美しい雰囲気を経験できた」との感想とともに徳島を後にしました。

福岡市の事例から見える試行錯誤の必要性

民泊についての認識は都道府県によって温度差がありますが、福岡市は慢性的に宿泊施設が不足しているということもあり、民泊に前向きな自治体の一つです。

2017年12月に福岡市で行われた男性グループのコンサートに合わせて福岡市はイベント民泊の公募を行ったところ、問い合わせは非常に多く寄せられたといいますが、実際の応募件数は38件、許可が得られたのは22件、実際のゲストによる宿泊は4件にとどまるという結果となりました。

イベント民泊は制度として始まったばかりということもあり、安全性の確保や運営等への配慮を重視した結果、応募条件をクリアできないケースが多かったことが原因と考えられています。

東北でもイベント民泊への取り組みがスタート

弘前市では2017年、弘前さくらまつり、弘前ねぷたまつりの期間を対象にイベント民泊を実施しています。

この期間には県内外や海外からも観光客が弘前市を訪れるため、市内の宿泊施設が不足してしまいます。

そこで少しでもせっかく訪れた観光客に市内に滞在してもらい、楽しんでもらえる時間を長くしてもらおうという意図で行われたイベント民泊、春には登録ホストが5件、そのうち2件に3人が宿泊し、夏には登録ホスト5件にあわせて11人が宿泊しました。

ホスト、ゲスト双方にメリットが出る仕組みであることが望ましい

このように一時的な宿泊ニーズの解消に有効とされるイベント民泊ですが、福岡市での事例を条件として出された「ホームステイ型、家主や近隣住民に同意を求めること」という点がハードルとなり条件を満たすことが難しい、またはその労力が適当ではないと判断したホスト候補が多かったことが問い合わせの数と実際の応募件数とのギャップから見て取ることができます。

現状、ゲスト側にとっての利便性は確保できていますがホスト側がビジネスとして取り組むだけの魅力に乏しいという点は無視できず、今後の制度運用の課題が見えてきた、という段階ではないでしょうか。

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