爆買いはまだ続く。化粧品販売に吹くインバウンド需要の追い風

爆買いという言葉が流行語になるほど中国人をはじめとしたアジア圏からの訪日外国人観光客を中心としたインバウンド消費の動向に注目が集まったのが2015年の2月のことですが、インバウンド消費は買い物等のモノ消費から日本でなければ体験できないコト消費へと移っていると言います。
しかし、まだまだインバウンドによるモノ消費は衰えていないばかりか、成長を続けているようです。

化粧品の販売金額が1兆6000億円台を突破

経済産業省が発表した生産動態統計を見ると、2017年の化粧品販売金額は過去10年で初の1兆6000億円台を超え、最高金額を記録しました。
2013年以降は成長率も5年連続で伸びを示していることが分かります。

大手化粧品メーカー各社の決算からもこのデータを裏付けることができます。
各社の2017年12月期決算によると資生堂、コーセー、ポーラの大手3社は前年同期比で2ケタ増を記録するなど好調です。
大幅な成長の理由としては中国、アジア諸国からのインバウンド需要が大きいという見方が有力です。

資生堂は初の時価総額3兆円超え

資生堂は2018年5月14日に株式時価総額が1949年の上場以来、初めて3兆円を突破しました。2兆円を突破したのが2017年の11月ですから、わずか半年でさらに1兆円の増となり、急成長を見せています。
1月~3月期のインバウンド向け売上高は前年同期と比較しても40%増となっていることからも成長の要因としてインバウンド需要があると言っても差し支えないでしょう。
訪日中の買い物需要はもちろん、帰国後の需要も喚起する施策を実施している資生堂は免税店での販売も成長を見せているといいます。

2018年3月期、コーセーは前年比13.7%増

資生堂に負けじと好調なコーセーは2018年3月期に前年比13.7%増となる3033億円の売上高を記録しました。
増収となった366億円のうち、162億円は国内販売、訪日外国人観光客による売り上げが49億円とやはりインバウンド需要が追い風となっています。
購買層は中国人が圧倒的に多いとしているコーセーですが、中国での販売は30年前から実績があり、ブランドも浸透しています。中国よりも日本で買った方が安いことに加え、ビザ発給条件緩和の影響で初訪日となる中間層が増加していることも中国人観光客がコーセーの商品を手に取る機会を増やしていると推察されています。

まとめ

かつての爆買いは高級品や単価の高い製品の購入がメインでしたが、現在は対象が日用品にシフトしたと言われており、その恩恵を受けているカテゴリーの一つが化粧品だと言えます。
しかしかつては爆買いで多いに潤い、その後の爆買い需要を見込んで店舗づくりをインバウンドに合わせた百貨店の多くは閑古鳥が鳴いているということもあり、いつまでも爆買いが続くと安心するわけにはいきません。
中国人観光客の買い物の特徴として訪日前から購入する商品を決めておく「指名買い」がありますが、指名リストに入るためのSNS等を活用した現地でのプロモーションでしっかりとアピールすることが重要ですね。