【インバウンド増加に比例】外国人の雇用が100万人を突破

コンビニや観光地、ファストフード店やドラッグストアなどで外国人の店員が働いていることは珍しいことではなくなりました。
近年、外国人の雇用は増加していますが、どうやら背景にはインバウンド需要があるようです。

外国人の雇用状況

厚生労働省がまとめた「外国人雇用状況」によると、2016年10月時点の外国人労働者数は過去最高となる1,083,769人を記録しました。
これで4年連続の過去最高となる他、初めて100万人の大台を超えたことになります。

国籍別の上位は?

2017年10月時点での国籍別の人数のデータがありますので、上位を見てみましょう。

1位:中国    372,263人(29.1%)
2位:ベトナム  240,259人(18.8%)
3位:フィリピン  146,798人(11.5%)
4位:ブラジル  117,299人(9.2%)
5位:ネパール  69,111人(5.4%)

1位は中国で全体の約3割を占めているほか、2位のベトナムも急伸しており約19%を占めていることがわかります。

外国人の雇用が拡大している背景

外国人労働者を最も多く雇用しているのはの製造業ですが、近年では減少傾向が認められます。逆に増加傾向にあるのが宿泊業、飲食サービス業、卸売業、小売業、建設業などです。

特にインバウンド対応を求められる小売、飲食、宿泊業などにおいて外国人観光客への対応のために外国人を雇用する、というケースが増えています。
2017年に訪日した外国人観光客のうち、最も人数が多かったのは中国の約735万人で、旅行消費は約1.7兆円を超えると言われています。

客が中国人なら言語はもちろん、購買行動や文化も共有できる中国人人材を採用し、中国人観光客の対応を任せたい、と考える企業が多くなっているということが中国人が雇用においても1位となる理由の一つと考えられます。

インバウンド業界における外国人雇用のメリット・デメリット

このようにインバウンド対応という切り口で見てもかなりの需要の高まりを見せている外国人の雇用ですが、メリットもあればデメリットもありそうです。
外国人雇用によるメリット、デメリットをそれぞれ確認してみましょう。

メリット

①多言語対応が可能

日本語で就労を検討している外国人人材の中には自国語、日本語以外の言語を習得している人材が少なくありません。
インバウンドの現場では不足していると言われる多言語対応が可能な人材を雇用することでより質の高いサービスを提供することが可能になります。

②文化の交流による新しいアイディアの創出

日本では当たり前のサービスでも外国人にとっては普通ではない習慣は意外と多いものです。
例えば中国では冷たい飲み物を飲む習慣がないため、夏でも常温またはお湯を飲みますが、日本の飲食店では氷の入った冷たい水が出てきます。
中国人人材を雇用し、中国の文化に照らすとお湯を出すべきだ、という意見をサービスに反映出来れば旅行者に寄り添ったサービスを提供することができます。

デメリット

①教育・トレーニング体制が必須

どのような業種でも新しく入ってくる人材に対してしかるべきトレーニングや教育を行う仕組みは必要ですが、外国人を雇用する場合には商品知識やサービスだけではなく、日本の文化や商習慣などを含めたトレーニングを行う仕組みが必要になるでしょう。
外国人の対応を同じ国籍の外国人に任せる、というような安易な発想をしていると企業としての質の低下を招いてしまいます。

②人材の流動性が高くなる可能性

外国人と一括りにしても国によって仕事に対する捉え方はかなり違いがあります。
前述のデータでも最も雇用人数が多い中国人は一般的により良い待遇を求めて頻繁に転職をする文化を持っています。
そのため、せっかく雇用した人材がトレーニングが終わった途端にもっと待遇のいい他社に転職してしまった、というようなことも起こる可能性があります。

まとめ

インバウンド業界にとって外国人人材の雇用は多言語対応によってビジネスチャンスを拡大するという意味でも検討に値する課題です。
既に積極的に外国人を雇用している企業も多く、ドラッグストアや観光地などでは外国人が働いている様子を見ることは日常的です。外国人スタッフを採用すればいい、という簡単な問題ではありませんが、メリット・デメリットをきちんと理解し、雇用をきっかけにグローバル化を目指してみてはいかがでしょうか?