中国と日本、文化の違いを考える

前回は飲食店で発生しがちな訪日外国人観光客のトラブルの多くが文化の違いにある、という話題でしたが、更に踏み込んで隣国・中国と日本の文化の違いを見てみましょう。
インバウンド人口1位の中国と日本の文化の違いを知ることで新しい発見があるかもしれません。

トイレの利用方法

日本のトイレはそもそも和式が中心でしたが、1964年の東京オリンピックをきっかけに水洗トイレ、洋式トイレの普及が始まったといいます。
現在、古い建築物を除くと洋式トイレが中心となっているわけですが、訪日外国人によるトイレの使用方法が問題となっています。
中国では用を足した後に使用したトイレットペーパーを流さず、備え付けてあるゴミ箱に捨てるのが長く定着していました。これはかつての下水道設備が貧弱だったため、よく詰まったりしていたことが理由となっています。
しかし日本では原則的にトイレットペーパーは流すことになっているため、トイレットペーパーを捨てるためのごみ箱がありません。すると使用後のトイレットペーパーを床に放置したりするということになってしまうのです。

トイレットペーパーは流す、と掲示する

トイレの個室で過ごす数分間、手持ち無沙汰になることが多いと思いますが、目の前に日本のトイレはトイレットペーパーを流しても詰まらないので必ず流すのだ、というルールを掲示することでトイレ問題の多くは解決するのではないでしょうか?
トイレを汚したくて床にトイレットペーパーを放置しているのではなく、トイレが詰まってしまうんじゃないか、と思うから流さないだけなのですから、流しても大丈夫、とわかればわざわざ床に捨てたりしないはずです。

飲み物・食べ物の持ち込み

日本では飲食店にペットボトル飲料等を持参して食事の際に飲む、というのは一般的にマナー違反になりますので、仮にたまたまペットボトル飲料等を持参していたとしても店内で飲む人はまずいないはずです。

これは中国でも原則的には同じで、飲食店に食べ物や飲み物を持ち込むことはマナー違反ですが、持ち込みOKの店もある他、飲み物については比較的寛容な店が多いため、ペットボトル飲料等を持ち込み食事の際に飲むのは不自然なことではありません。
また、身体を冷やすことを良しとしない中国人は水筒にお湯を持参していることが多いということもあります。

そのため、日本を訪れた中国人観光客が自販機で飲み物を購入したり、水筒にお湯を入れて持参し、そのまま何も考えずに次に入った飲食店で飲んだりする、ということがあり、日本人から見るとマナー違反、ということになってしまいます。

中国人もどうしたらいいか迷っている

中国で最も有名な旅行サイトでは「日本のレストランに飲み物を持参してもいいか?」という質問が複数上がっていることから、訪日する中国人観光客にとっても正しいマナーはどのような物なのか、分かりかねている様子がうかがえます。
複数の回答が寄せられていますが、「飲み物の持ち込みはダメだが、店内には明確に持ち込みを禁じるような表示はない」という内容です。

きちんと店内やメニューに「持ち込み不可」であるという表示をすることで、きちんと正しい日本における文化やマナーを理解してもらえるはずです。

室内でも土足の中国文化 靴を脱がずに部屋へ入ってしまう

日本では室内に入る前には靴を脱ぎますが、中国は欧米同様に部屋の中でも靴履きとなっています。そのため中国人の中には宿泊施設等で和室に土足のまま上がってしまう、という人がいるわけです。
これも中国人の視点で見るとごく当たり前のことであり、マナー違反のつもりはまったくない訳ですが、日本の常識・文化に照らした場合あり得ない行動、ということになってしまいます。

靴を脱ぐ文化は日本独特の文化

靴を脱ぐ文化を持つ国は日本以外にも韓国やアジア圏等にも例がありますが、世界的には少数派となり、和室に土足で上がってしまう件は中国だけでなく、欧米からの旅行者にも見受けられる事案です。
前述の旅行サイトでも「日本ではなぜ入り口で靴を脱ぐのか」というような質問が多数見受けられますので、多少無粋かもしれませんが靴を脱ぐべきところにきちんとその旨表示を行い、なぜ靴を脱ぐ習慣があるのか、という理由を添えることでより納得して日本の文化を知ってもらえるのではないでしょうか?

まとめ

今回取り上げた3事例について、不快に思う日本人が多いと思いますが、どれも違う文化の国・中国の常識に照らしてみると常識的な行動であることがわかります。
日本の文化の特徴として、察する文化、声高に主張したりせずに阿吽の呼吸で分かり合うという側面があると思いますが、外国人にはそれでは伝わりません。
訪日する外国人に日本の文化、マナーをきちんと伝えるとともに、相手の国の文化を知ることでお互いが気持ちよく過ごすことが出来ますし、より日本を楽しんでもらうためのアイディアも生まれやすくなるのではないでしょうか?

 

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