【検証】被災した訪日外国人はどうやって情報取得をしている?

2018年、日本は6月に大阪地震、9月に北海道地震とそれぞれ最大震度が6、7を記録するような大きな地震に見舞われ、多くの訪日外国人観光客が被災することになりました。
今回はさきほどの2つの地震に加え熊本地震を加えた(株)サーベイリサーチセンターが行った自主調査データを比較し、訪日外国人に正しく情報を届けるためのポイントを確認してみます。

北海道地震での情報収拾

直近となるのは2018年9月6日3時8分頃に発生した「北海道胆振東部地震」です。
地震がおさまった後の行動として挙げられたのは「インターネットやSNSで情報を得ようとした」「その場で様子をみた」「インターネットやメール、SNSのフェイスブックやライン等で家族や友人と連絡を取りあった」というものでした。

情報の入手先

実際に情報の入手先としては下記のようなものが挙げられていました。

  1. 宿泊先の従業員          30.3%
  2. ツアーコンダクター        25.4%
  3. 日本在住外国人のSNSの書き込み  23.2%
  4. 母国のウェブサイト        22.7%
  5. 同行の日本語ができる人      17.3%

北海道地震は発生した時刻が午前3時ということや大規模な停電が発生したことが影響し、テレビ・ラジオやインターネットを活用した情報入手よりも宿泊先やツアーコンダクター等、人的なリソースを頼った情報入手が多くなったと思われます。

大阪地震での情報収拾

2018年6月18日7時58分頃に発生した「大阪府北部地震」ですが、地震がおさまった後の行動としては「テレビやラジオで地震情報を知ろうとした」「インターネットやSNSで情報を得ようとした」「インターネットやメール、SNSのフェイスブックやライン等で家族や友人と連絡を取りあった」が回答の多くを占めています。

情報の入手先

実際の情報の入手先としては以下のようになります。

  1. 日本のテレビ・ラジオ  50.7%
  2. 母国のウェブサイト   29.6%
  3. 宿泊先の従業員     26.3%
  4. 日本のウェブサイト   22.4%
  5. 知人へ電話やメール   16.4%

北海道地震と違い朝方に発生したということで即時性のあるテレビ・ラジオから情報を入手したという回答が半数以上で、母国のウェブサイト、宿泊先の従業員という回答が続きました。

熊本地震での情報収拾

2016年4月14日に発生した前震および 4月16日に発生した本震を中心とする「熊本地震」についても同様の調査が行われていますので、回答を比較してみましょう。

情報の入手先

  1. 母国のウェブサイト   40.9%
  2. 宿泊先の従業員     27.8%
  3. 同行の日本語ができる人 20.9%
  4. 日本のテレビ・ラジオ  20.9%
  5. 知人へ電話やメール   13.0%

母国のウェブサイトという回答が最も多く、次いで宿泊先の従業員からの情報収集がメインとなっていたようです。

まとめ

日本語話者はテレビ・ラジオ、それ以外は母国語のウェブサイトやSNS

2016年の熊本地震、2018年の大阪地震、北海道地震についての調査データを見ると地震が発生した時間や被害状況によって情報の入手経路に違いが出ることがわかります。

また、テレビ・ラジオは即時性と情報の多さで情報収集先として上位に来るものの、日本語で理解が難しいという場合には母国のウェブサイトやSNS等から情報を入手しようという行動が取られることがわかります。

より訪日外国人に正確な情報届ける方法

地震等の災害が発生した場合、各国のウェブメディアやSNSを通じて情報を配信する仕組みがあれば、よりスムーズに正確な情報を伝えることができます。

また、いずれの事例でも宿泊先の従業員からの情報収集が上位に来ていることから、宿泊先での災害時の対応マニュアルの有無や避難方法についてのアナウンスが非常に重要であることが分かります。

観光庁のガイドラインの認知度向上を

観光庁は平成26年度に「自然災害発生時の訪日外国人旅行者への初動対応マニュアル策定ガイドライン」を作成し、宿泊施設や観光地が地震他の災害発生時に外国人旅行者に対しての初動対応について指針を示していますが、実際に機能しているのかどうか、今一度検証が必要です。