2020年に4000万人、というインバウンド人口の目標に向けて様々な業界で取り組みや課題解決が行われていますが、インバウンド増に伴い外国人ドライバーの数も増加しています。
今回は訪日外国人の増加によって成長が期待される、キャンピングカー業界について見ていきましょう。
訪日外国人のレンタカー利用率は増加中
国土交通省のデータを元に2011年からの訪日外国人数とレンタカーを利用した外国人の数を対比したところ、2011年と2015年ではおよそ4倍の増加を示していることが分かります。 インバウンド人口が2016年以降も増加を続け、2020年に東京オリンピックを控えていることを考えると、外国人観光客によるレンタカー利用もさらに増加することが予想されます。
インバウンド増でキャンピングカー業界が成長?
インバウンド増によって経済的恩恵を受ける業界といえば飲食、宿泊等、旅行を中心としたサービス全般ですが、キャンピングカー業界が成長を期待されています。 ジャパンキャンピングカーレンタルセンターが発表したところによると、訪日外国人観光客へのキャンピングカーの貸し出しは前年の5倍以上という驚異的な伸びを示しているといいます。
キャンピングカーはなぜ人気?
このようなキャンピングカー人気の背景にはどのような要因が考えられるのでしょうか?
車中泊でお得に観光
最も大きな要因と考えられるのが車中泊によるコスト削減です。 外国人観光客の6割が3人以上で訪日していることから、車中泊をすることでコストを抑えつつ旅を楽しめる、という考え方ができるわけです。 また、海外の宿泊施設の料金設定が部屋単位なのに対し、日本の宿泊施設の料金設定は人単位ということもあり、相対的に割高な印象があるのも車中泊がよりお得に感じられる一因かもしれません。
道の駅やコンビニ、銭湯等で安心、安全
キャンピングカーで車中泊をする外国人観光客が増える要因として日本の治安の良さが挙げられるでしょう。他国であれば事件や事故の可能性を考えてしまいますが、日本の場合はそのような事件に巻き込まれる確率は低いはずです。 また、道の駅やコンビニ等で買い物やトイレの利用ができますし、道中で銭湯等を利用することで快適な旅を楽しむことが可能です。
キャンピングカーの誘致で地方創生も
移動手段と宿泊施設を兼ねたキャンピングカーを活用すれば、外国人観光客は地方の観光地を目的地とした旅を気軽に楽しむことができるようになります。 そこで地方の自治体や企業がキャンピングカーを対象とした停泊が可能な駐車スペースを開発し、トイレやシャワー、自炊設備等のインフラを整備することで外国人観光客の誘致につながる可能性があります。 このような施設が出来れば日本国内に約10万台あると言われるキャンピングカーのユーザーが利用することも考えられます。
まとめ
もちろん、以前の記事でも指摘したように、外国人ドライバーの増加には事故増加の可能性が考えられるわけで、交通ルールの順守による事故防止策や交通ルールの違いによる事故防止の対策等、新たに対策が必要なことが出てくる可能性もあります。 しかし、人気の観光地に観光客が集中することで発生する宿泊先不足を解消しつつ、地方への集客も可能という意味で考えるとキャンピングカーを活用したインバウンド対策は双方にとって魅力的なものではないでしょうか?