JNTOの調べによると2018年10月10日時点で日本を訪れた訪日外国人観光客は1589万人となっており、2020年・4000万人という目標が手の届くところまで来ているという印象です。
インバウンド消費が買い物中心のモノ消費から体験を重視するコト消費へと移行している、と言われていますが、今回はモノ消費で好調の業界の動向を見ていきます。
ドラッグストアが好調
インバウンド増の恩恵を受けている業界としてまず思い浮かぶのはドラッグストアです。 流行語にもなった「爆買い」ですが、一時の勢いは衰えたとはいえ、まだまだ多数の外国人観光客がドラッグストアで購入した大きな袋を携えている姿を日常的に見かけます。 では、外国人観光客はドラッグストアでどのような商品を購入しているのでしょうか? 株式会社True Dataが発表した「インバウンド消費実売動向レポート<ドラッグストア>」を元に外国人がドラッグストアで購入した商品のランキングを紹介します。 商品実売個数ランキングを発表。今回は、外国人が日本のドラッグストアで購入しているアイテムのランキングと実際に韓国出身、台湾出身、中国出身の方に人気の理由を聞いてみました。おなじみのアイテムや知らなかったアイテムなどがランクインしていますよ。
ランキング1位は目薬
ランキングのトップ10は以下のようになっています。
1位:目薬「サンテFX ネオ 12ml」
2位:リップクリーム「DHC 薬用リップクリーム 1.5g」
3位:日焼け止め「アネッサ パーフェクトUVスキンミルク 60ml」
4位:洗顔料「専科 パーフェクトホイップ 120g」
5位:キャンディ「ポップキャン」
6位:温感貼り薬「ロイヒつぼ膏」
7位:パック「プレミアムプレサ ゴールデンジュレマスク ヒアルロン酸33g」
8位:液体絆創膏「サカムケア10g」
9位:咳止め「龍角散ダイレクトスティック ピーチ16包」
10位:化粧水「ナチュリエ スキンコンディショナー ハトムギ化粧水 500ml」
リーズナブルな価格帯のコスメ製品が多くランクインしている中、1位には目薬「サンテFX ネオ 12ml」 がランクインしました。 国別インバウンド人口のトップ、中国では国内で購入できる目薬の種類が少ないため、訪日した中国人は必ずと言っていいほど目薬を買います。パッケージが小さく、荷物になりにくいので1人が複数個購入するという要素もあります。 3位に入った日焼け止め、「アネッサ パーフェクトUVスキンミルク 60ml」は1人あたりの購入個数制限がある店舗が出るなど、大人気商品ですが、中国では女性は基本的に日焼けを嫌うため、UVカット性能の高い日本の商品に人気が集まった構図です。 8位、9位については中国の場合、それぞれ同じような商品が存在していないという珍しさが人気につながっていることが考えられます。 唯一5位に入ったキャンディ「ポップキャン」は可愛いみためからインスタ映えされたのではないでしょうか?
まとめ
今回のランキングから見える傾向ですが、中国に対して言えばどの商品もSNSで口コミ情報が配信され、訪日以前に認知されているという点です。 ドラッグストアに来てからどの目薬にしようかな、という商品選択ではなく、あらかじめ「この商品を買う」と決めてから訪日しているということを考えると、現地での認知度をどれだけ上げられるか、がポイントになります。 これはドラッグストアの商品に限らず、旅行先の選定や旅行先でのコト消費についても同様で、知られていなければ選択肢にもなりません。 インバウンド誘致を検討している事業者や自治体はターゲットとなる国に対しての適切なチャネルを活用したプロモーションが必要になります。