【民泊伸び悩み】利用シェア0.3%から見える現状

2018年6月15日に施行された民泊新法ですが、施行日から7月31日までの延べ宿泊人数が22万人だったことを観光庁が発表しました。
しかし、同期間の宿泊施設全体の延べ宿泊人数は6563万人であることから、民泊のシェアは0.3%に留まっています。
今回はシェアリングエコノミーの本命と目された民泊の現状と課題について見ていきます。

都道府県別のシェアでは北海道が1位

都道府県別のシェアを見ていくと1位が北海道の1.2%、2位が東京都の1.1%で、3位の愛知、4位の神奈川と続きますがシェアが1%を上回ったのは北海道と東京都だけでした。
民泊新法施行以前は訪日外国人観光客の2割が民泊を利用していたと言われる京都府は全宿泊施設の延べ人数239万人に対して民泊利用者は1723人と、0.07%という結果になりました。

失速の原因は民泊新法

7月末までの京都府内の民泊施設1施設当たりの平均稼働日数は8.8日で、全国平均の13.5日を下回りました。
この背景として、自治体の厳しい規制を挙げることができそうです。
京都市は民泊施設の800メートル以内に管理者を駐在させる、住居専用地域での民泊施設の営業は1~3月の60日間のみとするなど、法律以上に厳しい規制を行っています。

これによって民泊施設の運営にはこれまで以上にコストがかかるため、それによって宿泊料金に反映せざるを得ない場合があり、宿泊客を遠ざけてしまっているのではないでしょうか。

大阪でヤミ民泊の監視を強化

大阪は国家戦略特区の区域に指定されており、大阪市内の特区民泊施設が9月末時点で3806居室と、全国の特区民泊の約9割が集中しています。
民泊新法施行による届け出受理件数を見ると、10月末時点で札幌に次ぐ2位の1055件となっていることから、大阪は国内有数の民泊立地自治体と言えるでしょう。

民泊新法に基づいた届出を行わないまま、違法状態で営業を続けるいわゆるヤミ民泊について、大阪府市は6月から指導2千件を超える指導を行いました。
その結果、届出を行っていなかったヤミ民泊施設1839件が営業を取りやめたことが大阪府市の発表で明らかになりました。
2019年6月にG20(主要20カ国・地域)首脳会議の開催が予定されている大阪府市では犯罪の温床になることが懸念されているヤミ民泊についての監視を強化していくとのことです。

物件減少と値上げがシェア低下の原因?

民泊サイト最大手のAirbnbに登録されていた民泊施設は民泊新法施行前には6万件を超えていましたが、新法施行に伴いAirbnb側が見登録の民泊施設を強制排除等した結果、7月末には2万4千まで減少していました。
訪日を予定している外国人観光客から見た場合、Airbnbを活用して宿泊先を探そうとしていた場合は単純に選択肢が少なくなったというわけですが、新法に沿って届出を行った民泊施設にしても営業日数が上限180日に制限されたことから、これまでよりも短期間で収益化する必要があるということで宿泊料金を値上げしたことが考えられます。
そのため、民泊を利用する動機の一つであるリーズナブルな料金が魅力のないものとなり、今回のシェア低下につながった、という見方もできそうです。

まとめ

民泊新法が施行されてからまだ時間も短く、現時点での評価は時期早々という意見もありますが、それでも今回のシェアは低すぎるように思われます。
インバウンドという観点では民泊は増え続けるインバウンド人口に対して不足する宿泊施設問題の受け皿として期待されていますが、今後人口が減少することで国内全体で余剰になる住宅や部屋を有効活用する、という視点から見ても雲行きが怪しいように見えます。
民泊新法や自治体の規制が民泊事業者によって適切なのか、改めて検証が必要になりそうです。

 

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