日本が世界に誇る文化の一つがアニメですが、アニメの舞台となった土地を訪れるいわゆる聖地巡礼が盛んです。
今回は東京海上日動火災保険とNTTデータによる最新の調査結果から人気のアニメの聖地はどこなのかを見ていきます。
ランキング形式で人気の聖地を探る
この調査は地方創世を目的として実施されたもので、2017年11月から2018年10月にかけて行われたもので、対象として中国のSNS(微博他)や、観光レビューサイトでの外国人の書き込みを都道府県やジャンルごとに分析するという手法が取られました。 日本のアニメや漫画のタイトル名を含む発言を分析対象として、話題量を国・地域ごとに調査しつつ、作品の舞台や記念館などの関連施設に関連する書き込み内容についても分析を行っていることで、アニメツーリズムの潜在的パワーをランキングしています。
ポケモンが圧倒的人気
では、さっそくランキングを確認していきます。
1位:ポケットモンスター (東京都) 話題件数 217万4千件
2位:NARUTO (徳島県鳴門市) 話題件数 88万5千件
3位:僕のヒーローアカデミア(静岡市) 話題件数 20万7千件
1位は世界的に大ヒットとしたゲーム、「ポケットモンスター」となりました。話題の件数も圧倒的多数だったことから、世界的な知名度と人気の高さが伺えます。 東京都内に数カ所あるポケモンセンターや新宿西口のポケモン広場等が発言された結果、聖地としては東京都となりました。 2位の「NARUTO」はアニメ、マンガが共に世界的なヒットを飛ばしていますが、聖地となったのは作品の舞台ではない徳島県鳴門市です。 自治体が「ナルト」と「鳴門」を掛けて考えたイベントなどを開催していることから、多くの外国人も鳴門市を訪れているといいます。 3位の「僕のヒーローアカデミア」は作品の舞台、静岡市が聖地となっています。静岡県は他にも「ラブライブ!サンシャイン!!」(38位)や「ちびまる子ちゃん」(66位)等の人気作品の舞台になっていることから、アニメファンは複数の聖地をまとめて回る、という楽しみ方をしているようです。
国別の話題量は?
では、国別のアニメに関する話題量を見てみましょう。
1位 アメリカ 話題量 189万1千件
2位 ブラジル 話題量 55万8千件
3位 イギリス 話題量 35万5千件
話題量の世界での総数量532万3327件のうち、アメリカでの話題量が189万1247件と約3分の1を占めており、2位のブラジル以下を大きく引き離しています。 国別インバウンド数では最も多い中国・中華圏ではアイドル育成をテーマとしたアニメ「THE IDOLM@STER」が1位となっており、話題量の上位国とはやや異なる傾向があることがわかりました。
まとめ
人気のアニメや漫画作品をフックとしたアニメツーリズムについてはこのブログでも何度か記事として取り上げていますが、まず作品のヒットが前提となることから、狙って聖地を作りだすのは中々難しいと指摘しています。 今回のランキングでは2位の「NARUTO」について鳴門市がイベントを行っているということを紹介していますが、同様の試みを名前が似ている等の理由で作品と関係のない地方が行ったとしても上手くいくとは限りません。 アニメや漫画に安易に便乗するのではなく、それらをきっかけとして地元の観光資源を開発する、というスタンスが必要ではないでしょうか?