注目の日本オリジナルコンテンツ・武道ツーリズムでコト消費は拡大するか?

体験型消費が「コト消費」として紹介されるようになってから時間が経ちますが、登山や地方での生活体験等が事例として挙げられることが多いようです。
また、アウトドアスポーツも代表的なコト消費と言えるでしょう。
今回紹介するのは日本にしかない体験型のコト消費として注目を集めている「武道ツーリズム」です。

スポーツ庁が推進する武道ツーリズム

スポーツ庁が2017年に推進を宣言した武道ツーリズムですが、武道や武術の見学、観戦、体験、施設見学などを含むスポーツと文化が融合した観光コンテンツです。
スポーツ庁は武道に国内外から興味を持ってもらうためにエンターテイメント性やレクリエーション性を備えたコンテンツの提供が非常に重要だとしており、”BUDO”と定義をしています。

「みる」スポーツツーリズム

日本の武道として空手や柔道、剣道など海外にも多くの競技者がおり、空手の事例では日本国内の競技者が200万人と言われていますが、世界全体では1億3,000万人以上いるという統計データもあります。
日本の武道の世界的な知名度は高く、訪日の際に体験してみたい、という外国人観光客もいますが、スポーツツーリズムには実際に体験するのではなく「みる」という側面があります。
スポーツ庁が7カ国を対象に行った「スポーツツーリズムに関する海外マーケティング調査報告書」によると、大相撲は「みる」武道として中国、香港、タイ、オーストラリアで30%以上の人々から人気を集めました。他にも、柔道や空手、剣道や合気道などの武道は中国で50.7%という高い人気を集めていました。

沖縄は空手の魅力を発信

沖縄は空手発祥の地として空手を中心とした武道ツーリズムでインバウンド集客を推進しています。
2016年に沖縄県は「空手振興課」を新設、2017年には「沖縄空手会館」をオープンし、空手振興を行う拠点施設をつくり、沖縄空手の発信力を強化しました。
10月25日を沖縄県では「空手の日」としており、2018年には2,400人による演武を行い、約2万人が見物に訪れました。
外国人観光客の中には空手の素晴らしさを体験できた、という声、自分もやってみたいという声がありました。

剣道を通して武道の神髄を味わう

インバウンド向けに剣道体験ツアーを提供しているSAMURAI TRIP(サムライトリップ)は、心身の鍛錬と人間形成を目指すという剣道の最も重要な部分を伝えるプログラムを提供しています。
剣道の礼法や文化からはじまり打突練習、デモンストレーションを経て最後に試合形式のミニゲームで心技体を磨くサムライ修行を経験できる他、国内有数の防具職人の製作所を見学し、技術と職人の心を知るという、インバウンドにとっては得難い体験をすることができます。
その後は剣道をテーマとした日本唯一の居酒屋でオリジナルのサムライ飯を味わうことができるというプログラムは世界各国から注目を集めています。

まとめ

スポーツツーリズムからさらに一歩踏み込んだ武道ツーリズムにはインバウンド層が日本に期待するエッセンスが詰まっています。
日本発祥の武道をテーマにすることによって日本独自のコンテンツになり、訪日の動機として十分に機能しそうです。
さらに体験だけではなく「みる」という側面を強調することによって、「やってみたい」という人に加えて「みてみたい」という人もコト消費の対象となる間口の広さも魅力的です。
今回は沖縄と空手の事例を取り上げましたが、発祥の地にこだわらず全国どこでも地元の観光資源+武道という切り口で世界に向けて提案が可能です。
観光資源がない、とお嘆きの方は武道ツーリズムを参考にしてみてはいかがでしょうか?