インバウンド増加に伴う課題の中に訪日中の外国人観光客の健康、安全に関することがあります。
風邪や病気などで病院に行くというケースや事故に遭遇するという可能性を考えると旅行保険への加入が最も適切ですが、旅行保険の加入者が増加傾向にあります。
業界初の訪日旅行保険が1万件を突破
訪日外国人のレンタカー利用に伴う事故の増加について、過去にも記事として取り扱っています。 国内で最も外国人のレンタカー利用件数が多い沖縄県の沖縄ツーリスト株式会社では、レンタカー部門「OTSレンタカー」と大同火災海上保険株式会社が、レンタカーを借受けする外国人旅行者を包括的に補償するという業界初の商品、レンタカー業界および保険業界初の商品「One Two Support 訪日旅行保険」を開発しています。 2019年1月1日より提供を開始したところ、2019年5月31日時点において、加入件数1万件を超えるヒットとなっています。
レンタカー単位での保険料設計が高評価
この保険の特徴は保険料設計がレンタカー1台あたりになっているという点で、ドライバーはもちろん、同乗者も補償対象となるなど、外国人旅行者にとって利便性が高いという点が加入件数に反映されています。 この保険の対象となる外国人観光客はけがや病気などで提携病院を受診した際、キャッシュレスで受診することが出来るほか、受診の手配や通訳サービスなどを受けることも可能になっています。
旅行者、医療機関双方にメリット
外国人旅行者による医療費未払問題は大きな課題となっていますが、その多くは医療機関の泣き寝入りとなってしまうこともあり、実効性のある対策が必要なことや各保険会社の取組について過去にも紹介しています。
「One Two Support 訪日旅行保険」の2019年5月31日現在までの保険金支払いの実績を見ると、事故受付件数が81件、支払い金額の累計は5,287,570円となっています。 これは訪日中に事故や体調不良等のトラブルが起こった旅行者だけではなく、医療機関にとっても医療費の回収に関する不安解消に繋がり、大きなメリットがあると言えます。
保険加入者を増加させるためのコンタクトポイントは?
この商品はレンタカー会社と保険会社が共同開発した、という点で加入のきっかけを作りやすいという点と補償対象が同乗者も含まれるという点がわかりやすく、かつ入りやすいという点がポイントです。 訪日旅行保険に加入してもらうことで訪日旅行を不安なく楽しんでもらうことができるわけですが、入ってください、というだけではなく本商品のようなコンタクトポイントがはっきりしていて入りやすい、手続きしやすいというような工夫があると訪日海外旅行保険への加入者を増やすことができそうです。
まとめ
今回は沖縄でのレンタカー単位で保証が受けられる旅行保険についてでしたが、インバウンド人口を国別で見た場合、最も多い中国人はジュネーブ条約に中国が加盟していないため、日本で運転するための国際免許の発給を受けられず、運転はできません。 本商品のアイディアを参考にして母数の多い中国などの国に対して旅行保険にきちんと入ってもらえるような仕掛けができると、訪日外国人による事故や医療費の問題は大きく前進することになるのではないでしょうか?