インバウンド増に盛り上がる日本ですが、単純に増えた、という事実に喜ぶだけではなく、その内訳や問題点などを検証していく必要があります。
そこで2019年6月21日に閣議決定された令和元年版の観光白書を見ながら、観光立国化を目指す日本の現状と課題、施策などを全5回に渡って見ていきます。
外国人旅行者受入数ランキング
ここ数年で訪日外国人旅行者が急増した日本ですが、世界的な立ち位置はどのあたりでしょうか? 2017年度のランキングを見てみましょう。
5位までを見ると納得のランキングという感じがしますね。 日本は、というと2,869万人で12位、で4位の中国、10位のタイに続いてアジアでは3位に位置しています。この順位は前年の16位から12位へのランクアップです。 2018年度になると訪日外国人旅行者3,119万人となり、はじめて3千万人の大台を超えています。
国際観光収入ランキング
インバウンドの増加に応じて観光収入も増えているはずですが、こちらもランキングから世界的な位置を確認しましょう。
日本は11位で、341億ドルの観光収入を得ており、前年の307億円から増えていますが、順位はおなじく11位です。 外国人旅行者受入数では3位だったアメリカが2位以下を大きく引き離しての1位です。単純にいえば外国人旅行者1人あたりの消費額が大きいということになりますが、どのような消費動向になっているかを追ってみると日本でも消費額を上げる上で参考になるかもしれません。 アメリカにあって日本にないもの、と考えるとまずカジノが思い浮かびますが、アメリカはテーマパークやミュージカルなど、エンターテインメントに非常に強いという印象があり、コト消費が大きいのではないでしょうか?
国際観光支出ランキング
では、国別の観光支出についてのランキングを見てみましょう。
観光支出は母数が大きく影響しますので、中国が1位になるのは人口の多さの影響が見られますが、海外旅行に出かける人数が多い、というところに勢いを感じますね。中国人は訪日インバウンドでも国別で最多人数です。 日本は支出面では18位の182億ドルとなっています。
まとめ
観光白書は観光庁が実施した施策やこれから実施する施策について、国会で報告するために作成しており、4部構成からなるかなり詳細な資料です。 今回の特集ではポイントになる点をかいつまんで紹介していきたいと思いますが、観光庁のウェブサイトで閲覧することができますので、気になった方はぜひ閲覧してみてください。