2018年度に訪日したインバウンドの総数は3119万人と初めて3000万人の大台を超えましたが、国別にインバウンド数を見ると最も多いのが中国人の838万人と約4分の一を占めていることが分かります。
このようにインバウンド誘致を考えるときに隣国・中国の動向を捉えることは非常に重要です。
今回は中国の連休について確認していきましょう。
中国の連休は毎年変わる?
中国の連休といえば春節、国慶節などがぱっと浮かびますが、中国の祝日は旧暦に基づいて決定されるため、毎年日付が違うという点をまず把握しましょう。 中国で連休は年間7回ありますが、まず最も長い連休となる春節、国慶節について確認します。
春節:1月中旬~2月中旬の7連休(変動)
旧暦のお正月である春節は1月中旬から2月中旬までの間に7連休となり、中国国内でも家族と過ごすための帰省ラッシュが起こるなど、旅行シーズンでもあります。 日本の年越しは初詣がありますが、中国はそのような習慣はなく、家族で一緒に過ごすのが一般的です。 この時期には海外旅行に行く人々も多いため、日本へのインバウンド誘致には最も重要な時期の一つです。
国慶節:毎年10月1日~10月7日までの7日間(固定)
国慶節は中国の建国記念日にあたります。 毛沢東主席が中華人民共和国中央人民政府の成立を宣言した1949年10月1日を記念しており、毎年10月1日から7日までの7日間が連休となります。 国慶節も7日間と長い休みになるため、多くの中国人が国内外へと旅行します。
その他の中国の祝日は?
中国人を対象としたインバウンド誘致や受け入れ施策を講じるとした場合、春節と国慶節をまず考慮しなくてはいけませんが、その他の祝日についても知っておきましょう。 元旦と労働節は毎年固定、その他は年によって日付が変動しますが、どの祝日も前後の土曜日、日曜日と併せて3連休になるように調整されます。
元旦:毎年1月1日(固定)
日本のお正月と同じで1月1日は元旦として祝日になります。しかし、中国の年越しは春節になるため、特別な年越しムードは一切なく、一般の祝日と同じ扱いです。
清明節:4月上旬(変動)
清明節は4月上旬に3連休となりますが、先祖のお墓参りに行くのが一般的で、日本でのお盆、お彼岸のような位置づけになります。 中国4大伝統祭日の一つとなっています。
労働節:毎年5月1日(固定)
5月1日はメーデーと言われ、世界約80カ国で祝われますが、労働者が権利を要求してデモ行進を行ったりする風景を見たことがあるのではないでしょうか? 中国の場合少しニュアンスが違い、国や社会に貢献した人を表彰したり、スポーツや文化振興を目的としたイベントが行われる日になっています。
端午節:6月上旬(変動)
2008年から祝日となった比較的新しい祝日ですが、ちまきを食べる習慣があり、日本では5月5日の子供の日が端午の節句と言われ、同じようにちまきを食べる習慣があります。 端午節は詩人で政治家として中国の発展に尽くした屈原が入水自殺した際、仲間たちが屈原の亡骸を魚に食べられないようにとちまきを投げ入れたことが由来と言われています。 また、単語節にはドラゴンボートレースと言われる龍の装飾を施したボートによるレースが行われます。
中秋節:9月中旬(変動)
1年で最も月が綺麗に見える秋ですが、日本でも15夜、中秋の名月などと呼ばれるのが中国の中秋節です。 中秋節は最も月が美しい旧暦の8月15日に名月を鑑賞するという中国の習俗で、中国4大伝統祭日の一つになっています。 中国では月餅を友人、知人同士で送り合う習慣もあります。
まとめ
中国の祝日、連休について見てきましたが、国慶節、元旦、労働節以外は毎年日付が変動するという点に注意が必要です。 日本に最も多くの中国人が訪れるのはやはり7日間ずつの大型連休となる春節、国慶節です。 それぞれの祝日は年越し、建国記念日という中国人にとって大きな意味を持つことを理解し、例えば春節であれば年越しを演出するディスプレイを用意したり、宿泊施設なら部屋に紅包(お年玉)を模したプレゼントを用意するなど、習慣に寄り添った演出などしてみたいものです。 これらの連休に中国人観光客を誘致するためには日付をしっかり確認した上で早めに準備を進める必要があります。