中国人が海外旅行に出かけるタイミングは春節、国慶節の2つがありますが、2019年の国慶節期間が終わった今、中国人観光客の2019年国慶節期間の動向について確認してみましょう。
2019年の国慶節は大阪府が人気1位
まずホテル・旅館の宿泊予約アプリ「Relux(リラックス)」を運営するLoco Partnersが発表した「2019年国慶節 インバウンド旅行動向調査」を見てみましょう。 調査期間は10月1日~7日までの国慶節期間としたこの調査ですが、人気エリアは下記のようになりました。
1位:大阪府
2位:神奈川県
3位:静岡県
4位:北海道・沖縄県
6位:山梨県・大分県
大阪が人気となった理由として無料Wi-Fi環境や観光地の再整備が進んでいる点や京都、奈良など人気観光地へのアクセスの良さが挙げられていました。
国慶節期間中に出国した中国人は700万人超
一方で国慶節休暇中に出国した中国人は7日間合計で700万人を超えたと中国の文化・観光部が発表しました。 出国先として、日本、タイ、マレーシア、シンガポール、オーストラリアなどのが人気となっていることがわかりました。 中国人観光客といえば旺盛な消費、という印象ですが、電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」の国慶節期間中の海外での消費動向を見てみましょう。 「支付宝(アリペイ)」が発表した「2019年国慶節連休中の中国大陸観光客の海外アリペイ消費統計データ」によると、国慶節期間中の日本でのアリペイの取引件数は前年同期比で2.2倍に増加、渡航先別取引件数で1位になっています。 「支付宝(アリペイ)」による電子決済はコンビニ各社を始め、ドラッグストアや各地の空港などでも導入されており、中国人観光客は日本円を持ち歩かずに中国と同様に買い物ができる環境が多くなっている ことが大幅な増加に繋がっていると見られています。
まだまだ増える中国人観光客
2018年に日本を訪れたインバウンドは3119万人と過去最高を記録しましたが、そのうち中国人は838万人と前年比13・9%増、過去最高となっています。 国別のインバウンド数を見るとやはり中国人トップですが2019年上半期も勢いは衰えず、前年同期比11・7%増、7月には単一市場では初となるインバウンド数100万人を突破しています。
中国の昨年のアウトバウンド数は人口比わずか5%
2018年に海外旅行を楽しんだアウトバウンド数は7342万人に達し、絶対数だけを見ると非常に大きな数字に思えますが、中国の人口が14億人という点を考慮するとわずか5%、訪日率を見ると1%しかないということがわかります。 これまで海外旅行をする中国人は比較的所得が高い上海、北京、広州などの都市在住者が多かったのですが、近年は成都や重慶など、内陸部からの訪日旅行者も増加しているなど、中国市場はまだまだ伸びしろがたっぷり残っているわけです。 このように中国からのインバウンド誘致は今後も増加が見込めるわけですが、特に訪日リピーターの増加が目立ちます。2015年のリピーター率が27・5%だったのに対し、2018年は40・9%と高い数値を示しています。 また、旅行の形態が団体から個人旅行へと変化している他、ゴールデンルート中心の旅行から地方に興味が移っているという点も見逃せません。
まとめ
中国から日本はアクセスも良く、しっかりとプロモーションや観光資源の開発を行うことで地方でも中国人インバウンドの誘致は可能ですが、多言語対応や決済手段をはじめ、中国人消費者のニーズや心をつかむための準備や対策は必須です。 お互いの国の文化の違いを認識しつつ、適切な中国向けインバウンド対策を行いましょう。