北海道といえば1年を通してインバウンドに大人気の観光地です。
従来のゴールデンルートを中心とした旅程からすると地理的に有利とはいえない北海道ですが、様々な施策を経て現在に至っています。
今回は宿泊予約アプリの予約件数からみた北海道の人気スポットについて見てみましょう
インバウンドが捉えた北海道の魅力とは?
宿泊予約アプリ「Relux」を運営しているLoco Partnersが所有する顧客の動向や人気宿泊施設の傾向等を調査する機関、「Reluxトラベルラボ」はインバウンドを対象とした北海道旅行動向調査を行い、その結果を発表しました。 インバウンドを対象にした人気都道府県ランキング調査等の多くで北海道が上位にランクインしていることからその実態を調べるべく実施されたこの調査は2018年12月1日から翌年2月29日までの期間にReluxを経由した予約を元に集計されています。
人気エリアは洞爺、札幌
人気エリアでは、洞爺、札幌が上位にランクインしました。 洞爺は2008年に洞爺湖サミットが開催されたことなどでも知られていますが、洞爺湖をはじめとした美しい大自然、雪景色、温泉など、インバウンドが求める観光資源が揃っています。 札幌は買い物やグルメを楽しめるほか、新千歳空港からのアクセスが良いという点もあり、人気を集めているようです。 その他上位には「函館・大沼・松前」がランクインしています。
人気宿ランキングも洞爺湖が1位
人気宿タイプランキングの第1位は洞爺にあるリゾートホテル、ザ・レイクスイート湖の栖となりました。 全国でみると「旅館」が人気を集める傾向があるようですが、1位となったザ・レイクスート湖の栖は雄大な自然に囲まれた立地に加え、敷地や館内で楽しめるアクティビティの豊富さなども人気の要因と考えられます。
1位:ザ・レイクスイート湖の栖(洞爺、リゾートホテル)
2位:ベッセルホテルカンパーナすすきの(札幌、ビジネスホテル)
3位:HOTEL&SPAセンチュリーマリーナ函館(函館・大沼・松前、シティホテル)
4位:祝いの宿 登別グランドホテル(登別・室蘭、旅館)
5位:旅亭 花ゆら(登別・室蘭、旅館)
北海道が進めるインバウンド加速化プロジェクト
国内で最もインバウンド集客に成功していると言える北海道ですが、たまたまインバウンドが押し寄せている、というわけではもちろんありません。 2017年に発表された「北海道インバウンド加速化プロジェクト」では次のような目標が掲げられ、北海道が世界が憧れる観光地・北海道となるべく、さらなるインバウンド誘致が推進されています。
・交流人口の拡大による地方創生:観光を地域の稼ぐ産業、雇用の確保(定住人口の確保)の一つとして認識
・観光産業のリーディング産業化:広域連携DMOと地域のDMO連携により「稼ぐ仕組」を確立
・国際的に質の高い観光地づくり:一度で回りきれない魅力的な観光商品を道内各地に存在させる
・道民の意識改革:日常の中に外国人がいる社会を理解する
結果を出している北海道の取組みはインバウンド誘致のベストプラクティスとして参考にできるものではないでしょうか?
まとめ
このようにインバウンドによる地方創生の成功事例として捉えることができる北海道ですが、一方では世界でも有数のスキーリゾートになったニセコの様に物価や家賃の高騰により地元住民の生活が脅かされる、という状況が生まれつつある地域もあることにも目を向ける必要があります。 良くも悪くも北海道の状況を参考として継続性のあるインバウンド誘致とはなにか、を考えていきましょう。