2月19日に観光庁の田端長官が記者会見を行い、新型コロナウイルスの影響や今後の対応策について説明を行いました。会見によると2020年1月のインバウンド数は前年同月比で1.1%減となる266万1000人ですが、日中の航空路線の便数が新型コロナウイルスの感染拡大前から約7割も減少しているとの説明があり、深刻な影響が予想されます。
新型コロナウイルス対策の基本方針
会見では新型コロナウイルスへの政府の対策が発表されています。情報としては少し前のものなので、実際とは乖離している部分があるかもしれませんが、政府の基本的な考え方についてみていきます
1.緊急対応策・帰国者への支援
主に中国・武漢への政府チャーター機の手配による邦人の安全確保のための支援の他、感染が拡大したクルーズ船・ダイヤモンド・プリンセスの乗員や乗客の生活支援、健康管理のサポートなど、緊急対応策が含まれています。
2.国内感染対策の強化
感染対策を強化するためには検査体制の整備が必要です。また、 新型コロナウイルスに対して現状ではワクチンがありません。また、ウイルスに対して検査方法の開発も急務となります。更に抗ウイルス薬やワクチンの研究開発の促進を民間企業との協力のもと進めるための支援が行われる予定です。 その他、現状ではマスクの着用等が感染予防策になりますが、供給体制の確保も重要性が高く、支援の対象となります。
3.水際対策の強化
ウイルスを国内に入れない対策を一般に水際対策と言いますが、地方出入国在留管理局と検疫所との連携強化を行うことで上陸審査の厳格化の他、出入国管理及び難民認定法に基づく上陸拒否を含めた対応が検討されます。
4.影響を受ける産業等への緊急対応
新型コロナウイルスにより、国内外の様々な産業が影響を受けることが予想されます。特に観光立国が進む日本においてインバウンド減は深刻な問題です。 状況の終息時期が見えない現状、国民と外国人旅行者へ向けて正確な情報を迅速に提供することによって風評対策を行います。 また、観光業を中心とした中小企業や小規模事業者への緊急貸付や保証枠として日本制作金融公庫等に5,000億円を確保、資金繰りを支援します。また、雇用対策として助成金の要件緩和が行われます。
5.国際連携の強化等
新型コロナウイルスの感染は世界に拡大しており、自国内での対策だけでは不十分です。そこで感染症対策に係る国際支援として分離したウイルスを研究開発用に無償提供、医療資材等の供与、NPO等の支援等が行われます。
まとめ
日本国内でも感染者が増加し、休校となったり自宅での勤を取り入れる企業など、これ以上の感染拡大を防ぐための試みが行われています。 終息の見通しはまだ見えていませんが、まだまだ予断を許さない状況が続きます。インバウンド関連の事業者にとっては非常に厳しい時期を過ごすことになりますが、我慢の時期と言えそうです。