新型コロナウイルスの感染は世界規模で拡大を続けており、深刻さを増しています。
各国が入国制限や渡航禁止などの水際対策を強めていますが、結果として日本を訪れるインバウンドの減少はしばらくの間続くと考えたほうが良さそうです。
コロナウィルスの現状
2020年3月6日出店で国外の新型コロナウイルス感染症の感染者数は94,310人、日本国内は前日より43人増えた360人となっており、感染が拡大しています。 国内では感染を避けるために休校やイベントの自粛等が行われていますが、感染が世界中に拡大する中、日本では中韓両国に対して入国者に2週間指定場所での待機を養成するとした入国制限を行う等の対策を表明しました
。
インバウンド数は4ヶ月連続で減少中
ここ数年右肩上がりで増加してきたインバウンド数ですが、2020年1月は前年同月の268万9千人を約3万人下回る 266万1千人となり、昨年から4 か月連続で前年同月を下回っています。 これは韓国からのインバウンドが大きく減少していることに加え、今回の新型コロナウイルスによる中国での海外出国を制限する措置などが影響しています。 国別のインバウンド数ではここ数年中国と韓国が1位、2位となっており、依存度の高さが懸念されていました。 例年であれば多くの中国人観光客が訪れるはずの春節休暇期間ですが、新型コロナウイルスが大きくブレーキをかける形となってしまい、2020年の政府目標であるインバウンド4000万人が早くも難しいという見通しも出ています。
昨年4月は単月で過去最高だったが…
長期化しそうな気配の新型コロナウイルスによる影響ですが、様々な産業が経営的ダメージを受けています。中でも直接的な影響が大きいのが宿泊施設や飲食店など、観光産業と言えるでしょう。 年間を通してインバウンドが多く訪れる時期として10月の国慶節休暇期間、1月・2月の春節休暇期間がありますが、桜が開花する3月から4月にかけても観光業界にとってはかきいれ時です。 2019年 4月に訪日したインバウンド数は前年同月比で 0.9%増加となる 292万7千人で、単月としては過去最高を記録していることから、今年も全国で行われる桜祭りを見るために多くのインバウンドの訪日が期待されていましたが、新型コロナウイルスの終息に時間がかかるようだと期待はずれに終わる可能性も十分に考えられます。
まとめ
インバウンドの減少だけではなく、国内でも外出を控えたりイベントの中止や不参加など、自粛ムードが漂い消費にも影響が出ています。 また、マスクの入手が難しくなったり、トイレットペーパーの買い占めが起こるなど、事実とは言い難い情報に踊らされてしまうという事態も発生してきています。 現在できることは正確で信頼できる情報だけに従い、冷静に行動することです。観光業や飲食業、輸出入に関連する企業にとって非常に苦しい時期ですが、政府の支援策等を活用し、終息後に向けた適切な動きをしていきましょう。