インバウンド対応の本質は異文化理解
京都ではインバウンド対応が活発に行われていて、最近の人気店やチェーン店はどこでも日英中の3カ国語表示のメニューになって来ています。これからますます3カ国語表示のメニューは一般化されていくでしょう。そんな中で、メニューを翻訳してインバウンド対応は終わりだと思っていませんか?実はここに落とし穴があります。日本は島国で日本独自の文化が育っています。そのため、欧米はもちろんアジアでみてもかなり独特な進化を遂げています。そのため、文化的な違いを理解していないと損失に繋がります。では実際の事例を見てみましょう。
事例「某有名牛丼チェーン店の場合」
中国人留学生Kさんが来日後に初めて学校の側の某有名牛丼チェーン店に行った時の話です。このKさんはほとんど日本語をしゃべれないのですが、看板を見て中国語に対応しているからと、このお店を選んだそうです。
席に座っても店員さんが来ない
ドアを開け、数人が座っているカウンター席にKさんも座りました。そして、待てども待てども、店員さんが注文を聞きに来ません。「あれ?おかしいぞ」と不安になっていました。そんな中、新しく入って来るお客さんを見つけました。その様子を観察していると、なにやら入り口のところにある機械にお金を入れているのが見えます。
「なるほど。あれで注文するのか」と安堵に包まれました。これでようやく美味しいものが食べれるぞとウキウキしながら、機械の前に着きました。
謎の機械の操作法
しかし、いざお金を入れて機械を操作しようにもどうやって動かしたら良いのかわかりません。何分か格闘していると、自分の後ろに行列ができてしまっていて、もうお手上げ。店員さんに中国語混じりに拙い日本語で救いを求めました。ただ、この店員さんも中国語はほとんどわかりません。拙い日本語もいまいち伝わっていない様子。そうこうしているうちにますます行列ができてしまって、逃げ帰るようにその場を後にしたそうです。
券売機文化は世界では珍しい
日本では当たり前の券売機。ラーメン屋にはだいたい置かれていますよね。これって海外にはほとんどないんです。理由は壊されてしまうから。そんなことから、日本では当たり前ですが、海外からすると異文化の未知なる箱なんです。なので、当然使用説明が必要です。海外からすると日本は島国であるがゆえに異文化で溢れています。
せっかくインバウンド対応をするのであれば、3ヶ国語表示のメニューだけで満足するのではなく、初めて異文化に触れる人の気持ちをうまく捉えて、対策する必要があります。