もともと親日家が多い台湾。訪日観光客も多く、去年は約410万人にも登り、観光客数としては3番目になりました。そんな中、ある訪日台湾人旅行者の記事に注目が集まっています。
訪日台湾人旅行者の記事
早産のため、緊急入院したが、言語対応ができない
妊娠7カ月の台湾人観光客の女性(20)が沖縄旅行中の3月30日に、出産が早まり、急きょ南部医療センター・こども医療センター(南風原町)で884グラムの子を出産した。同病院や受け入れ先では中国語での対応ができず、母親とのコミュニケーションが困難で、現在、県内の台湾出身者らがボランティアで通訳している。県内の一部医療機関では多言語への対応や外国人患者に向けての医療サービス環境の構築を進めているが、まだ十分でないのが現状だ。
出典:『医療費600万、言葉通じない 台湾人客、早産で窮地』琉球新報
訪日台湾人の妊婦が早産のため、日本で緊急入院になった際に超未熟児出産に対応できる病院が少なく、外国人対応がまだ整っていないところに搬送されてしまったようです。 なんとか無事出産はできたようですが、
海外旅行保険が使えず、600万円自己負担
赤ちゃんは南部医療センターで特別医療措置を受けており、医療費用は最低でも約600万円かかるという。しかし、出産は海外旅行保険の補償対象外のため、夫婦は医療負担に追われている。
早産で外国で、さらに言語もわからない中の出産。ホッとしたのもつかの間、このような悲劇が待っていました。 ただ、さすが寄付文化が根付いてる台湾です。
台湾出身者の会で100万円の寄付を募る
県内在住の台湾出身者でつくる「琉球華僑総会」は夫婦に約100万円を寄付する予定で、張本光輝会長は「無事に帰国できるよう支援がほしい」と寄付を呼び掛けた。
日本も東日本大震災の際には、義援金をたくさん送ってもらいました。その額なんと!200億円と言われています。この額は世界中から集まった義援金の中でも1番高い額でした。このように困ってる人を助ける文化がある台湾なので、今回も琉球華僑総会を筆頭に寄付が集まるのかと思えばそんなことはないようです。
台湾版NHKである『蘋果即時』のコメント欄に「自業自得」
「自己責任」「わがまま」「妊娠7ヶ月で海外に行くのはありえない」
日本語訳: 妊娠7ヶ月で出国するのは。。。 自分の不用心でしょう。わたしたちはなぜ寄付しないといけないの?
日本語訳: 妊娠7ヶ月で旅行に行くのは良いし、早産も仕方ないけど、お金に余裕がないのにこういう選択をとったのは自分のミスでしょう。 国外なら高額の医療費になるっていう基本的な常識はないの?
このようにコメント欄では擁護する様なものはほとんど見受けられない状態でした。アドリンクの台湾人スタッフも「なんで寄付しなければいけないのかわからない。」と話していました。
まとめ
前回(外国人がさらに過ごしやすくなる!?インバウンド対応の多様化3選)にも取り上げた様に、多言語対応になっている医療機関は増えています。来月には全国の救急隊員に翻訳スマホが配布されて多言語対応が始まるようですが、受け入れ先の病院ではまだまだ対応しきれていないのが現状です。医療機関内でも対応、非対応と別れていたりと、またまだ難しさを感じました。 また、対応していても医療機関の大半のHPは未だに日本語のページしかないことが多いです。これではまだまだ「対応している」とは言えません。 これから4000万人に膨れ上がっても何の問題もないようにインフラを整えていく必要がありそうです。
後日談
台湾を含めた国内外の国から1200万円(!?)もの寄付が集まったそうです。余ったお金は沖縄の通訳対応の充実に使われるそうです。