訪日外国人の宿泊が好調な京都市が宿泊税導入の動きをしているようです。
宿泊税とは東京と大阪のみ導入している税金です。東京、大阪、京都の比較から京都の財政事情など詳細を見て行きましょう。
宿泊税導入の比較
民泊や簡易宿所を含む全ての宿泊施設で宿泊者に一定の宿泊税の負担を求めるということで、全国で初めて宿泊料金10000万円未満にも課税する方針を打ち出しています。 具体的な課税額はまだ出ていませんが、他県と同様に宿泊料金に応じて1人あたり100~300円程度と予想されます。1人1泊100円を課税した場合、年間で20億円程度の税収になるとの試算もあるようで、大きな財源になりそうです。
東京の場合
大阪の場合
京都、東京、大阪で異なる部分まとめ
東京と大阪では20000円以上で課税額が変わります。 京都は東京、大阪では課税なしの10000円未満にも課税することが大きな違いとなります。
京都の税収構造は大変
①学生が多い
人口に占める学生数が6.18% (16万1,238人/261万140人)と全国1位の京都府。本籍も京都にない人が多く、学生のために高額納税は期待できません。
②固定資産税が取れない
条例によって背の高いビルの建築ができないことや木造建築が多いため、土地の値段は高くても固定資産税が他の大阪や東京のようには取れません。
③市営地下鉄の大きな負債
建設費に約8500億円という莫大な費用がかかっています。理由は京都市営地下鉄の建設時に地下を掘るたびに出土品があったことで、文化財保護法に基づく埋蔵文化財の発掘調査を繰り返し行うことになり、当初の費用よりも爆発的に上がってしまいました。そのため運賃を高くする必要があり、開業からずっと赤字続きでした。平成27年にようやく黒字に転換しましたが、まだまだ負債があるため油断はできません。
宿泊税導入はいつ?どうなるのか?
宿泊税導入予定日
門川市長は「早急に制度設計を進める」とし、9月市議会に条例案を提出する意向を示しています。早ければ2018年度の導入をめざしています。
宿泊税施行後
先行導入している大阪や東京を見ても宿泊者数はほぼ変わりません。宿泊料金10000万円未満に課税されるといっても100円以下であるため、影響は少ないと予想しています。
まとめ
これだけ観光客に溢れている京都市でも税収としてはそんなに多くはなく、難しい状態にあります。確かに安易に税金を上げられるのは抵抗ありますが、税収増になれば、さらなるインバウンド需要のサービス向上に使われたりと今後観光をする人にとっても良い効果が広がっていきます。宿泊税が導入されてもそんなに宿泊者数に影響がないのであれば、この宿泊税は京都市の財政正常化を見据えても仕方ないと思います。