2020年には東京オリンピックを控える日本ですが、訪日外国人観光客が増加する中、インバウンド対策が様々な方面で求められるようになっています。
外国人観光客が日本滞在をスムーズに楽しめるようにするには更なる利便性の向上が必要となるわけですが、今回は鉄道会社のインバウンドへの取り組みについて見ていきましょう。
鉄道会社各社のインバウンド対応
訪日外国人環境客にとって重要なインフラとなる鉄道や地下鉄等は外国語による表示や案内放送の取り組みが進められていますが、それ以外にも利便性向上への取り組みが進行中です。
新幹線全線で無料Wi-Fiを提供
日本は諸外国と比較して公共Wi-Fiが貧弱だという指摘をされることがありますが、2018年度中に全国すべての新幹線を対象として無料Wi-Fiサービスを開始することを国土交通省鉄道局が発表しました。 首都圏から地方へ移動する際の重要な足となる新幹線で無料Wi-Fiサービスがスタートすることは遅れていた鉄道周辺のインバウンド施策を大きく前進させるといえるでしょう。
京阪電車でも無料Wi-Fi
新幹線と同様に無料Wi-Fiサービスの提供を進めるのは京阪電車。2018年4月下旬より主に特急車両として使用する車両全編成に順次導入を予定しています。 また、外国人観光客の利用が見込まれる時間帯を中心に、車内アナウンスを日本語・英語・中国語・韓国語の4言語にて行う他、外国紙幣を日本円に両替することができる自動外貨両替機を設置する駅を増やす等、訪日外国人観光客向けに利便性を高める取り組みを積極的に進めています。
南海が先行する4か国語表記
2017年の訪日外国人観光客数は過去最高の2869万900人となっていますが、そのうち74%は韓国、中国、台湾、香港からの訪日客となっています。 このような傾向を受けて鉄道会社が対応を求められているのが行先や停車駅、電車の種別等の表記の多言語化です。 関西国際空港から直結する南海難波駅では横約6.4メートル、高さ約2メートルの巨大な電光掲示板を5か所に設置、日本語・英語・中国語・韓国語で停車駅、電車の種別表示等を交互に表示することで利便性向上を図っています。 同様の電光表示板は南海難波駅の他関西空港駅、りんくうタウン駅等7駅に設置されている他、足元の行先表示も4か国語で表記する等、視覚からの情報をより分かりやすく伝えるような取り組みを進めています。
まとめ
新幹線や関西の鉄道会社のインバウンドへの取り組みについて見てきましたが、これまで指摘が多かったWi-Fi問題や言語表記問題等を中心に積極的な取り組みが進んでいるようです。 表示やアナウンスの4か国語対応については外国人観光客の利用が見込まれる路線を中心に始まっていますが、まだ十分とは言えない状況です。 しかし、4か国語表記を散見するようになってきていることから、鉄道だけでなく商店街やショッピングセンター等にも広がっていくのでは?と日本政府観光局の担当者は明るい見通しを語っています。