毎年1月後半から2月中旬にかけて、中国や韓国からの訪日観光客が増加する時期があるのをご存知でしょうか?中華圏での正月にあたる春節とはどのような祝日なのか、またインバウンド需要を受け入れる日本側の今後の課題についてまとめてみました。
春節とは
春節とは旧暦の正月のことを指しています。中華圏では最も重要な祝日とされており、盛大に祝われることで知られています。 中国をはじめ韓国やシンガポール等11か国が旧正月前後数日間を祝日として設定していることから、観光客の誘致拡大を目指す日本にとっても訪日観光客増加が期待できるシーズンとして注目される機会が増えています。
各国の春節
春節はチャイニーズ・ニューイヤーという呼び方からもわかる通り、中華圏の文化のため、どの国でも家族で過ごすというところに共通点を見出すことができます。 中国では特に家族団欒が重視されるため、春節休暇の前後には中国全土で一斉に帰省が始まり、交通量の増加による混雑が起こることで有名ですが、春節休暇を利用して旅行をする人々が近年増加する傾向がありました。 2010年頃からは日本を訪れる中国人観光客が爆発的に増加し、いわゆる“爆買い”が見られるようになったというわけです。
2018年の春節効果は?
2017年度を通しての訪日外国人観光客は中国人の735万5800人が最多で、714万200人の韓国がそれに続きました。 しかし2018年の1月から2月の訪日観光客数で言うと中国人の134万8700人を韓国が上回り、151万2100人と前年比で23.4%増を記録しました。 2018年の春節は2月16日でしたが、韓国がアメリカの進める高硬度防衛ミサイルを配備したことへの中国政府の反発により韓国人が春節休暇中の旅行先として中国ではなく日本を選んだことや日本政府によるビザ発給要件を緩和する動き等が韓国人観光客の増加の主な要因ではないかと言われています。
次の大型連休はいつ?
このように中華圏からの訪日観光客を誘致するタイミングとして非常に重要な春節ですが、その他にも見逃すことのできない大型連休が増えています。 代表的なのが中国の建国を記念する祝日である国慶節です。 毎年変わる旧暦をベースとした春節と違い、国慶節は毎年10月1日と決められており、約1週間の大型連休となります。 ちょうどこの時期の日本は秋の観光シーズンということもあり、訪日外国人観光客にとっても見どころが多い時期ではありますが、いわゆるモノ消費が一段落した言われる中、リピーターや新たなインバウンド消費を生み出せるようなコト消費の提案等、集客が期待できるこの時期に向けて準備をしていくことが望ましいと言えるでしょう。
春節、国慶節の受け入れ態勢の充実が課題
中国や韓国からの訪日客が増える春節等の大型連休を商機として捉えるのであれば、受け入れ側の準備がより重要度を増していくのは間違いない事実です。 例えば、英語に加えて中国語や韓国語を併記した看板やメニューを充実させることで旅行につきものでもある言葉の問題を軽減することができるでしょう。 また、中国ではスマホを活用した電子決済が盛んになっていますので、同様の電子決済システムを導入することにより、訪日中国人の利便性は格段にあがり、購買意欲をより刺激することができるはずです。 このようなインバウンド受け入れ態勢の整備に対して国や自治体も補助金等でサポートをしている場合も多いので、それらを上手く活用することで大型連休需要を最大限に活かしていきたいものです。