訪日外国人観光客に人気のスポットといえば寺社仏閣が上位に食い込みますが、歴史的・文化的な価値とともに美しい建築様式などが高い評価を得る理由になっています。
今回は堅いイメージの寺社仏閣のインバウンド対応や意外なイベントについてご紹介していきます。
ライトアップ・夜間の拝観でナイトタイムエコノミーを活性化
日本を訪れる外国人観光客からの意見として夜の楽しみが少ない、というものが少なくありません。そのため、政府や企業、自治体等が潜在需要が見込めるナイトタイムエコノミーの掘り起こしに注力しています。
そのような試みとして寺社仏閣のライトアップ、夜間参拝が挙げられます。
清水寺は年3階の夜間特別参拝
音羽山 清水寺では、春、夏、秋と年に3回、夜に特別拝観を行っています。 ライトアップされた風景は昼間とはまったく違う表情となり、幻想的な美しさを堪能することができます。 夜間拝観の時は通常は非公開の成就院も特別に公開され、京都屈指との名言われる成就院庭園の荘厳な夜の景色も見逃せません。
鹿王院は秋に夜間拝観を実施
京都市指定名勝に指定され、紅葉の隠れた名所として知られる鹿王院は11月後半から12月上旬までの2週間、夜間特別拝観を実施しています。 1日100名限定の夜間拝観では、山門からの石畳の参道、舎利殿、庭園が美しくライトアップされた姿を楽しむことができます。
寺社仏閣で行われる意外で凄いイベント
お寺や神社というと真面目で正式な場所、というイメージが先行しますが、考えてみればお祭り等のハレのイベントもたくさん行われています。 近年では寺や神社のイメージからは遠いライブイベント等も行われていますよ。
増上寺はイベント会場としても有名
東京タワーを背後に臨む増上寺ですが、イベント会場としても様々な特徴のあるイベントで利用されています。 毎年行われているのが夏至の夜に「でんきを消して、スローな夜を」過ごそうと呼びかける、「100万人のきキャンドルナイト」です。 特設ステージでは観覧無料のライブが行われ、キャンドルの柔らかい明りに包まれて楽しむことが出来る他、「平和」「環境」「社会」がテーマのショートフィルムを上映します。 キャンドルナイトは午後20時に始まりますが、カウントダウンと共に隣接する東京タワーが消灯する瞬間を味わうことができます。
お寺でHIPHOP 煩悩 #BornNow
※写真はイメージです。
数ある寺社仏閣での音楽イベントの中でも特に異彩を放っているのがHIPHOPを中心とした音楽イベント、煩悩 #BornNowです。 千葉県松戸市の松龍寺で開催されるこのイベントは今年で3回目。お寺、地域住民、感性豊かな若者、訪日観光客をつなぐカルチャーフェスティバルとして日本の伝統と音楽を楽しむことが出来る他、地元グルメを味わったり、中古レコード市で買い物したりと多彩な楽しみ方ができます。
まとめ
今回事例として取り上げた以外にも多くの寺社仏閣に限らず多くの観光スポットがライトアップを行う等、観光資源の魅力を更に高めようとする試みを実践しています。 美しくライトアップされた風景はインスタ映えすることからSNSでの拡散が期待できますね。 また、寺社仏閣のイメージにとらわれず、自由な発想でユニークなイベントが今後もさらに増えていきそうです。 地域創生とインバウンド、という切り口で日本全国のお寺や神社で様々な企画が生まれたら新たなコト消費が生まれそうですね。