2018年は地震や台風等の災害が日本各地を襲いましたが、被災地では外国人観光客からのキャンセルが出る等、インバウンド景気は水を差される形となりました。
10月に中国や韓国の大型連休を控える9月21日、関西ではインバウンド層を呼び戻す試みが発表されました。
関西インバウンド観光リバイバルプランとは
9月18日(火)、観光庁は関西地区におけるインバウンド観光の活性化に向けて9月21日(金)に「関西インバウンド観光リバイバルプラン」の公表を決めました。
これは関西を観光地として外国人旅行者に再認識してもらうため、「知ってもらう」、「来てもらう」、「行ってもらう」、「楽しんでもらう」の4つの柱を中心として展開します。
同プランはJNTO、交通機関各社、関西空港、旅行会社、宿泊施設等幅広い法人や団体が参加していますが、それぞれの具体的な取り組みを見ていきます。
同プランの詳細
①宿泊事業者4団体による歓迎イベント
台風21号の被害で閉鎖されていた関西国際空港の第1ターミナル運用が21日に再開しましたが、日本旅館協会他、宿泊事業者4団体が国際線到着ロビーで歓迎イベントを行いました。 イベントに参加したのは関西の宿泊施設の女将ら約90人。外国人観光客を横断幕や琴の音色で迎えながら、関西の元気な姿を笑顔でアピールしました。
②京阪グループは京阪沿線のファムトリップを企画
京阪グループは京阪沿線のファムトリップ(視察旅行)を企画しています。 訪日外国人向けに京都タワーの展望券を1万枚無償配布する他、京阪モールでは10月1日からの中国の大型連休・国慶節に向けたフェアを実施します。
③近鉄グループはSNSを活用
近鉄ホールディングスは10月2日から先着3000名を対象として近鉄奈良でパスポートを提示した外国人観光客に「鹿せんべい」をプレゼントします。 その他近鉄奈良駅内の物販店で企画乗車券所有者にノベルティグッズを提供する他、SNSで写真を投稿すると宿泊券やあべのハルカス入場券がもらえる企画を用意しました。
④南海グループは特急ラピートのアップグレードを用意
南海グループは大阪市内と関空を結ぶ路線、「特急ラピート」 のアップグレードキャンペーンを9月23日から10月31日の間実施します。 このキャンペーンはLCCの機内や海外の旅行代理店を通して購入した「特急券付き乗車券」が対象で、通常はレギュラーシートを利用するところ、関西空港駅の窓口でスーパーシートへのアップグレードを行うというものです。 スーパーシートの予約状況によって席数は変動しますが、快適に大阪市内へ移動することが可能になります。
⑤JAL、ANAは割引運賃を設定
大手航空会社2社もお得な運賃を設定しています。
JAL
関空発着の国際線について最大で3割程度割引となる運賃を設定する他、外国人旅行者向けの日本国内運賃の値下げを期間限定で実施します。
ANA
関西空港~中国・香港路線の割引運賃を設定し、外国人旅行者向け国内運賃については、関空~新千歳/沖縄/石垣/宮古路線で最大半額となる値下げを実施するとしています。
まとめ
国別インバウンド数の1位となる中国他、台湾、韓国、香港等は10月に国慶節休暇で大型連休に入り、多数の観光客が日本を訪れます。 今回のリバイバルプランによって改めて日本の良さを発信することが出来れば、年明けの春節休暇への集客にも口コミやリピーター等、良い影響をもたらすことが期待できそうですね。