インバウンド人口が年々増加を続ける中、馴染みのない日本の生活や習慣に触れた訪日外国人観光客は新鮮な驚きを感じるとともに言葉が通じない等の不便を感じることがあると思います。
訪日外国人の利便性を上げるために多言語対応等の取組みが行われていますが、今回は日本の生活には慣れている、日本在住の外国人が日本で困ることについてまとめました。
①電車内での通話
日本では電車やバスの中では電話はしないのが常識になっており、車内は非常に静かです。しかし、外国人観光客の中には違和感があるという声があります。 例えば韓国の場合、電車やバスの中で電話をすることは特に咎められるようなことではなく、電話をしている人がいたとしても誰かが注意するようなことはないと言います。 これは中国でも同様で、地下鉄の車両内で電話をする人は珍しくありません。
②クレジットカードが使えない
クレジットカード社会の欧米では支払いの場面でクレジットカードを使う人がほとんどですが、日本では個人経営のお店や規模の小さいお店では現金しか使えない、ということがあります。 中国ではQRコードでの決済が一般的に普及していることがあり、日本での現金での支払いを不便に感じることが多いようです。
③サイズが日本人向け
日本人も含むアジア系外国人には気にならないけれど、欧米人にとっては意外と苦労することがあります。 それは、物のサイズが標準的な日本人を前提にしていることです。 服や靴など、身につけるもののサイズが相対的に小さいことはもちろんですが、電車やバスなどの座席やベッドのサイズ、部屋の大きさ、天井の低さ等、空間全体が日本人サイズなので身体が大きい欧米人にとっては窮屈に感じることが多いという意見があります。
④部屋探しが難しい
日本に居住することになった場合、もちろん部屋を探すことになりますが、この部屋探しが外国人にとっては難しい場合があります。 賃貸契約をする場合には保証人が必要なことがほとんどですが、保証人が見つからないこともありますし、保証人が見つかったとしても入居者が外国人、という理由で入居できない、ということがあったりと、外国人が日本で部屋を探すのは難しいことがあるといいます。 これは外国人だと家賃を払わずに帰国してしまう可能性がある、ということが理由のようです。
まとめ
郷に入っては郷に従え、ということわざがありますが、国によって常識とされることには違いがありますので、その国に住むことになるのであれば現地の習慣や常識は尊重するべきだと思います。 しかし、今回の事例の中でいえば部屋探しが難しい、という点についてはなんらかの対策が必要ではないでしょうか? 外国人に対して部屋を貸したくない、という大家さん側の意見についても差別ではなく、根拠があるからこそ出てくる意見だと思いますが、日本の敷金・礼金制度等も外国人に理解させるのが難しい商習慣に思えます。 このように日本に慣れている外国人にとっても日常で困ることを拾い上げていくとかなりの数が出てきます。インバウンド向けの対策を考える場合はさらに相手の目線に立って課題を抽出し、対策を取ることが重要になります。