インバウンド人口は増加を続けていますが、政府の目標・2020年に4000万人の訪日観光客数へ向けて官民ともに様々な取り組みが進められています。
外国人観光客が旅行先を決定する際に使用されるツールはいくつか考えられますが、インターネットを使った情報収集は中でも有力な方法になっています。
海外から都道府県名はどのくらい検索されている?
そこで、海外デジタルマーケティングの支援を行う株式会社インフォキュービック・ジャパンが発表した各都道府県名の海外からのGoogle検索数に関する調査結果を見ながら、インターネットを活用したプロモーションの必要性を見て見ましょう。
調査概要
調査期間:2017年4月1日から2018年3月31日 調査方法:Google社のツール「キーワードプランナー」をもとに算出されたデータを使用 集計の対象となったのは無作為に抽出した13地域で、アメリカ、カナダ、香港、韓国、インド、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、イギリス、オーストラリア、台湾となっています。
英語で行われた各都道府県名のGoogle検索回数
まず、2017年4月1日から2018年3月31日の間に英語で行われた各都道府県名のGoogle検索回数のランキングを見てみましょう。
1位 東京 359,700回
2位 秋田 350,310回
3位 広島 214,120回
4位 大阪 205,400回
5位 沖縄 188,400回
6位 佐賀 185,200回
7位 京都 139,100回
8位 北海道 132,500回
9位 高知 128,560回
10位 埼玉 109,990回
ランキングは英語での検索ボリュームを元にしていますので、各都道府県の人気を必ずしも反映していませんが、概ね訪日外国人が訪問する都道府県が上位にランクインしているようです。 但し、秋田については秋田犬を対象とした検索、佐賀については同名のコミックスを対象とした検索、高知についてはインド・ケーララ州にある主要産業都市、KOCHIを対象とした検索数が含まれた結果、上位にランクインしている可能性があります。
訪日外国人1人当たりの都道府県名別検索回数
続いて各都道府県を訪問した訪日外国人1人あたりの都道府県名検索回数のランキングです。
1位 高知 0.82716回
2位 東京 0.82270回
3位 秋田 0.53277回
4位 佐賀 0.48553回
5位 広島 0.44595回
6位 大阪 0.34108回
7位 沖縄 0.34108回
8位 京都 0.25226回
9位 埼玉 0.24305回
10位 福島 0.18150回
東京、大阪、沖縄、京都といった観光地として人気の都府県は訪問する訪日外国人が多く、比例して検索数も多いという順当な結果です。 広島は世界的に認知度が高いため、検索数も多いということが類推されます。 1位の高知、3位の秋田、4位の佐賀は都道府県としての名称を意図しない検索数が含まれているため、訪問した訪日外国人数に対して検索数が多くなったということでしょう。
まとめ
検索数が多い地域は海外での知名度を既に得ることが出来ているということですが、少ない地域はデジタルマーケティングに注力する必要があります。 その際には地元の観光資源や魅力を整理し、海外を意識したネーミングやブランディングを意図するようにすることで集客を伸ばせる可能性があります。 また、秋田の場合等は秋田犬での検索が多いようであれば秋田犬から観光資源へ導線を作るようなプロモーションも考えられます。 いずれにしても認知されなければ検索もされません。SNS等も利用した総合的なデジタルマーケティングを検討し、海外に対してアピールしていきましょう。