インバウンドにとって訪日旅行中の移動手段としてタクシーがありますが、Uberが提供するタクシー配車サービスが主要都市で普及を始めています。
本来のライドシェアとは違う形での事業展開を図るUberですが、普及の背景を見てみましょう。
Uberは名古屋で配車サービスをスタート
ライドシェアサービスとして世界各国でサービスを提供しているUber(ウーバー)ですが、2018年9月に名古屋市のフジタクシーグループと提携し、Uberアプリから同社のタクシーを呼べるようになりました。 当初、Uberは一般のドライバーが自家用車を使い、有料で乗客を乗せるライドシェアサービスで日本市場への参入を検討していましたが、いわゆる「白タク」になってしまうためタクシー配車サービスという形での市場参入へと方向転換していました。
大阪、仙台とUberのサービスエリアが拡大中
Uberと提携するタクシー会社として2例目は大阪府守口市のタクシー会社・未来都です。同社は2019年1月23日から大阪市を中心にUberと提携した配車サービスを開始しました。 また、宮城県仙台市の仙台中央タクシーもUberの配車サービスを間もなく導入する予定となっています。 このようにUberとの提携事例が増えてきている背景としてどのようなことが考えられるのでしょうか?
タクシー事業者はインバウンド需要の取り込みを狙う
Uberは世界63カ国、600都市以上でサービスを展開しており、利用者は7500万人と言われています。Uberがサービス展開している国や地域では既にUberアプリをインストールしている人が多く、同アプリをインストールしている人々が訪日した場合にUberプリ経由で取り込むことができます。
インバウンドへの利便性向上
このようにタクシー事業者にとってインバウンドへのアプローチが容易になるという点で、Uberとの提携にメリットがあります。また同時にインバウンドにとっても利便性の向上が見込めそうです。
行先を予め伝えることができる
インバウンドにとってタクシーを利用するには言葉の壁がある場合があります。 行先を運転手に伝える必要がありますし、運転手側の理解力も要求されることになりますので、必ずしもスムーズとは言えないことが考えられます。 しかし、Uberアプリであればあらかじめ目的地を入力してタクシーを呼ぶことができ、目的地へのルートも表示されます。
クレジットカードで支払い
料金の支払いもUberアプリに登録したクレジットカードで行うことができますので、現金を取り出してお釣りをもらう、というやり取りがありません。 また、目的地を入力した段階で料金の目安が表示されるのも乗客としては安心感があります。
まとめ
国内ではジャパンタクシーが配車アプリ「全国タクシー」を運営し、550万以上のダウンロード数となっている他、中国の滴滴出行もソフトバンクと合弁会社を設立し、配車サービスの提供を目指している等、競争は激しくなりそうですが、それによってインバウンドや国内消費者にとってさらに利便性が上がることを期待します。