2018年のインバウンド数は3,119万人と3,000万人の大台を超え、7年連続増加を続けています。インバウンドの増加に伴い様々な課題が出てきていますが、その中でも重要度が高い問題として多言語対応があります。
公共交通機関等は行先表示を中心として多言語対応を進めていますが、様々な場面で多言語対応が必要になっています。
英語ができる求人案件が増加中
株式会社ビズリーチが運営している求人サイト「スタンバイ」によると、2018年12月のパート・アルバイト求人数231万件中、「英語必須」という文言が含まれている求人は6万件となり、前年同月比で1.55倍と増加していることが分かりました。 観光庁の発表によると2018年のインバウンドによる飲食関連の消費額は前年比で10%増となる9,758億円となっていますが、「スタンバイ」での飲食店関連のパート・アルバイト求人数を見ると英語必須の飲食店関連のパート・アルバイト求人は前年比で1.65倍となる3700件となっています。 インバウンド増によって飲食店や小売業等、外国語での接客対応が求められる仕事が増えていることを伺わせる結果が出ています。
インバウンド数の4分の1を占める訪日中国人への対応もニーズが高い
一方、ニーズが高いのは英語だけではありません。 日本を訪れるインバウンドの4分の1は中国人となっており、モノ消費からコト消費へと消費動向が移行していると言われる中、中国人をターゲットにしたサービスが生まれています。 インバウンドの中には日本の美容室に行きたいというニーズがあり、訪日を予定している中国人向けに日本の美容室を事前予約できるサイトもあります。 美容室の中には英語、中国語を話せる店員を採用したところ、中国人他外国人客が増加した、という事例があると言います。
外国人をリゾートバイトに採用して多言語対応
接客に多言語対応が求められるのは飲食店やサービス業だけではなく、ホテルや旅館等の宿泊業も同様です。 観光地で住み込みで働く案件を取り扱う求人サイト「はたらくどっとこむ」を運営する株式会社アプリが1月29日に発表したところによると、ワーキングホリデービザを活用してリゾートバイト先へ派遣された外国人数は2016年の168人から2017年の312人、2018年の371人と2年間で2.2倍に増加しています。 アプリ社によるとリゾート地での就労を希望する外国人の増加が要因として考えられる他、これまで外国人の採用を行っていなかったホテルや旅館がインバウンド増に伴い多言語対応のために積極的に外国人の採用を行っているという点を挙げています。
まとめ
政府目標の2020年・4000万人に向けて東京オリンピックを控えている日本ですが、その後も大阪万博等のイベントも控え、さらに多くの外国人が日本を訪れることが予想されます。 インバウンド消費を促す、という点では言語によるコミュニケーションが欠かせないことを考えると今後も英語話者、中国語話者の価値は上がっていくことになるでしょう。 近い将来、英語と中国語が就職の際に必須、ということになるかもしれませんね。