京都の伝統産業「西陣織」の総合展示館である、西陣織会館は、西陣織の製造工程や製品、歴史的史料などの展示をはじめ、華やかな和装の美しさを余すことなくご紹介する「きものショー」や制作体験など西陣織を体感できる施設です。また、魅力を知ってもらい西陣織の製品を購入することもできます。
しかし、新型コロナウイルスの影響を受け、メイン顧客でもあった団体バスツアーはもちろん、京都自体の観光客減による個人客の訪問も減少しているのが現状です。
そこで、コロナ禍においても西陣織の発展に繋がる新しいビジネスモデルとして、オンラインで西陣織製品を購入してもらうことや魅力を感じてもらえるような情報を発信することができるECサイト(オンラインショップ)の立ち上げを企画。
弊社ではそれに必要なシステムや数多くの事業者からなる組織形態でも容易に管理できる体制の構築についても提案しました。
弊社担当者にこれらの対策に至った経緯と課題解決のための提案内容について聞きました。
導入の目的
- コロナ禍により厳しい状況に置かれた西陣織会館の販売モデルを改善する
- 店頭販売やイベントだけでなくオンライン上でも西陣織製品の魅力を発信→購入ができるプラットフォームを構築する
- 管理体制上、ITツールの操作に不慣れな人でもECサイトの管理が容易に行うことができる
抱えていた課題
- 店頭販売がほとんど期待できない中、オンライン上に販売チャネル移行を検討するほど大きな規模感のECサイトを構築、管理させる必要があった
- ITツールに不慣れな店頭販売員の方々でサービスの管理、運営を行う必要があった
導入効果
- 西陣織工業組合に所属する企業10社以上参画し、60品以上の商品数で販売開始
- 店頭販売員の従業員の方々数名でサービスを自走させられる体制を構築
- 情報発信→購買の流れを構築したことでオンライン上での販促施策を積極的に展開
課題解決に向けた取り組み
Q:西陣織会館の新しいビジネスモデルを構築するためにどのようなことされましたか?
A:西陣織会館は、非常に大きな商業施設でありますが、その売上の大部分は団体バスツアーや個人客が実際に会館を訪れ買い物をするというビジネスモデルでした。
昨今の新型コロナウイルスの影響を受けて会館に直接買い物に来る方は大幅に減少していたため、我々アドリンクはShopifyを使用したECサイトの構築を提案させて頂きました。
Shopifyは海外発のサービスで世界各国でサービス展開していることもあり多言語対応しやすく海外展開を検討しやすいツールです。
そのため将来的に越境EC(海外向けのオンラインショップサイト)も視野に入れながら構築することができます。
また、ECサイトを制作しても、専門の知識を持った人間しか運営できないのでは困ります。
なので、誰でも運営ができるようECサイト管理をマニュアル化してレクチャーしました。
ITツールの操作に不慣れな方でも操作がしやすい、その点もShopifyの利点と言えます。
伝統産業である西陣織のECサイトは前例があまりないこともあり、運営母体である西陣織工業組合と連携し、組合構成員である企業の方々との商材のやり取り、商品の在庫管理、配送手配、運営上必要な教養のレクチャーなどECサイトを運営する上で必要な体制を整えました。
これまでの経験を活かして
Q:アドリンクだからできたこととは?
A:2016年に西陣織会館のwebサイトを多言語化でリニューアルし、管理・更新・運営のサポートをしてきたこともあり、ただECサイトを作るだけでなく、西陣織業界の複数の関連会社と円滑にコミュニケーションをとりながら一緒に作ることができました。
また、海外展開を狙った際に弊社であれば、外国の方からの問い合わせ対応や商品の紹介を多言語化するなどのサポートもできるため、今後のことを考えた場合、アドリンクだからこそできることは多くあると考えています。