【対策必須?】大阪北部地震におけるインバウンドへの影響

6月18日朝に大阪を襲った大阪北部地震ですが、最大震度は6弱を記録し、6月21日時点で死者5人、負傷者370人を超える被害が出ています。
マスターカードの発表した「急成長渡航先ランキング」で2年連続世界一に輝いた大阪には、昨年1111万人もの訪日外国人が訪れていますが、今回の地震が大阪に限らずインバウンド全体に水を差してしまう可能性があります。

大阪府全体の経済活動が低下

SMBC日興証券が試算したところによると、大阪北部地震によって実質国内総生産が1835億円程度減少する等、経済への影響が出る可能性があります。
試算では、この地震によって大阪府全体の経済活動が平均3日間で60%台に低下したとされていますが、交通網の混乱により商品の供給が滞ったことや電気、ガス等のライフラインが止まったことで工場の生産が停止したことが原因と考えられます。
2016年の熊本地震や2011年3月の東日本大震災の際には地震が発生した月とその翌月には訪日外国人客数の減少があったことを踏まえると、2018年の6月は前月比で10%、7月は5%程度の減少が予想されます。

交通機関での地震対応と影響

関西国際空港

訪日外国人観光客にとって西日本の玄関口となる関西国際空港ですが、大阪北部地震によって滑走路や施設への異常は見られず、運航は通常通り行われました。

しかし、大阪市内から空港への送客を行う南海電鉄、JRの路線やリムジンバスの運休のため、多くの外国人観光客が空港ターミナルで立ち往生せざるを得ないことになりました。

南海電鉄

日本は地震大国ですが、訪日する外国人の中には地震に慣れていない人々も少なくありません。地震の規模や状況、避難の必要性や今後の見通し等、正確な情報を入手したい、という外国人観光客へ向けて南海電鉄は通訳アプリをインストールしたタブレット端末で案内を行いました。

京阪電鉄

また、京都への送客が多い京阪電鉄はFacebookで英語で運行状況を知らせるという対応を行いました。

情報提供は不十分

しかし、訪日客が参照する旅行口コミサイト上では交通機関の運行状況の確認や地震の被害状況を問い合わせる書き込みが多数行われたことから、情報提供が充分とは言えなかったことが予想されます。

コールセンターによる多言語対応

大阪観光局は地震の発生を受けて外国人観光客の対応を行うために大阪観光局は英語や中国語、韓国語などに対応する多言語コールセンターとして2017年3月に開設された「大阪コールセンター」で24時間対応を行い、地震の情報や鉄道、道路等交通状況を把握することができる「大阪防災ネット」等を通じた情報発信を行いました。
いずれのウェブサイトも多言語対応していたことから、有事を想定した大阪観光局の準備が実を結んだと言えそうです。

宿泊施設や観光地での安全確保

外国人観光客が宿泊客の多くを占める大阪市西成区の格安ホテルでは、地震発生を受けてロビーに外国人宿泊者が集まったと言いますが、宿泊施設が外国人観光客に向けた適切な災害対応を取れるかどうかも課題です。

観光庁は平成26年度に「自然災害発生時の訪日外国人旅行者への初動対応マニュアル策定ガイドライン」を作成し、宿泊施設や観光地、自治体に対して自然災害への対応マニュアルの作成等を促していますが、実施についてはまだまだという状況です。

訪日中の外国人観光客とこれから訪日する外国人への情報提供

地震が発生してから多くの宿泊先や観光地にキャンセルの連絡があったということですが、無理もありません。
しかし訪日中に残念ながら地震に遭遇してしまい、日程の変更を余儀なくされた外国人観光客、またこれから訪日を予定している外国人に対して正しい情報を素早く、適切に発信し、サポートやケア体制を充実させていくことが地震と共存せざるを得ない日本が観光立国となる上で必須事項と言えるでしょう。

 

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