3種類のアンケートを通してコロナ禍と中国人観光客の訪日意欲について見てきましたが、結論から言えば訪日意欲は衰えておらず、ロックダウンを経験したことによりむしろ高まりを見せているとも言えます。
今回はこれまでのアンケートの結果をまとめながら、アフターコロナに向けてどのような準備が行われるべきか、考えてみましょう。
中国・台湾ともに訪日意欲は旺盛
まず、ペイサー株式会社が2020年4月22日~25日に中国・台湾人を対象に行ったオンラインアンケート調査です。
アフターコロナに訪日したいか、という質問について中国人の95.5%、台湾人の88.8%がはい、と回答しており、春節期間に訪日を予定していた層もいることが予想されますが、ほとんどの人が訪日に高い意欲を見せています。 (株)Airporterが自社ユーザーを対象として行ったアンケートでは、コロナ終息後に旅行したい場所として日本という回答が86%と最も多く、韓国の30%、タイの26%が続きました。
日本製品を対象とした情報収集の中身は?
2月からの数ヶ月、世界中で外出を制限せざるを得ない状態が続き、生活のあり様までコロナ前後で変化が出ていますが、外出できない中でネットでどのような情報収集を行ったかという調査をプラネットとTrue Dataが行っています。 日本製品を対象とした情報収集の中で、最も多かったのが医薬品の50.6%、続いて日用品の41%、旅行の38.6%、化粧品の37.2%となっていました。 コロナ禍も消費マインドへのマイナスの影響はほとんどなさそうです。
インバウンドを迎える側の準備が必須
このようにインバウンド目線で見た場合、依然として日本は旅行先として魅力的、ということの様ですが、気になるのは迎え入れる側となる日本国内のマインドの低下です。 熊本県観光協会が行った意識調査によると、自分の居住地域への外国人旅行者の受け入れに関して 来ないで欲しい、あまり来ないで欲しいという回答が約6割を占めるという回答結果が得られています。 調査が行われたのがゴールデンウィーク前で、外出自粛要請や県をまたいだ移動が咎められている最中ということが結果にも反映されていると思われますが、国境を超えた渡航が可能になるのはコロナ禍が落ち着いた後になるはずです。 多くのインバウンドは2021年になってからの訪日を検討しているようですが、それまでに国内の関連業種は改めてインバウンドを迎え入れるための準備をしっかりと行い、彼らの期待に応えるべきでしょう。
まとめ
当初の予定では2020年は東京オリンピック、パラリンピックが開催され、インバウンド4000万人の大台を目指して様々な催し、イベントが行われるはずでした。 コロナショックは日本だけではなく、世界中で猛威を奮い、インバウンド業界はその直撃をくらった形になってしまいました。しかし、幸いなことに顧客であるインバウンドは訪日を心待ちにしています。 コロナ以降、生活様式に変化が起こっているのと同様に、観光についても変化が求められることになるでしょう。それがどのような形になるのか、考えながら新しいおもてなしの形を模索していく必要があります。