インバウンド向けのプロモーションを実施する上で、現状どのようなニーズが存在しているのか、またどのような傾向が見られるのかを知っておく必要があります。
今回はホテル・旅館の宿泊予約アプリ「Relux」を運営するLoco Partnersが同アプリの利用者を対象に行った「2019年 インバウンド旅行動向調査」を参照し、インバウンドの動向を見ていきましょう。
人気上昇当道府県ランキングは北海道が1位
まず、人気上昇都道府県ランキングを見てみましょう。 知名度、実績ともに国内有数の観光地・北海道が1位という結果です。既に高い人気を獲得していながらさらに人気上昇、という点は自然を生かしたレジャー体験、ご当地グルメの豊富さ、温泉など観光資源に恵まれている他、四季を通して楽しめるという点が人気の理由でしょう。 その他ビザ発給要件の緩和、アジアと北海道間を結ぶ国際線の新規就航などもプラス要因として考えられます。
次に人気エリアランキングを回答者の国別に見ていきます。
人気エリアランキング:中国
ここでも北海道が1位ですが、東京、神奈川、京都といったアクセスが良い定番の観光地が人気となっています。
人気エリアランキング:韓国
韓国の利用者からは大分や福岡などの九州に票が集まっています。物理的に近いという点もありますが、LCCの新規就航、増便などで気軽に行けるようになったことが大きいようです。
台湾・香港
台湾・香港の利用者からは大分県、沖縄県が票を集めました。プラス要因はやはりLCCの就航、増便などが考えられるでしょう。
英語圏
英語圏の利用者からの結果は中国と同じになりました。東京を起点とした場合のアクセス性が結果に出ているのかもしれません。
国別の宿泊予算は?
では、国別の宿泊予算を見てみましょう。日本人観光客も含めてそれぞれの国からの利用者の宿泊予算を比較できます。
宿泊予算が最も大きい額だったのが英語圏の利用者で、8万1375円。続いて中国の80,607円、国内旅行者が最も少ない56,052円の宿泊予算でした。
グループシェア率
宿泊先を何人でシェアしているかについても確認しました。 2019年と2018年を比較してみましょう。
グループシェア率は2人が最も多く、約60%となりました。これは2018年の66.8%と比較すると約17%減少したことになります。 増加したのは1人、3人、4人以上のシェアですが、旅行スタイルの多様化が伺えます。
まとめ
以前はインバウンドの訪日旅行といえばゴールデンルートでしたが、人気ランキングに山梨県、静岡県などが入ってくるなど、ニーズが多様化していることがわかります。 プロモーションはマスに向けた形ではなく、ターゲットを絞り込んだ上で適切に行う必要がありますね。