右肩上がりに増加を続けていたインバウンドですが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって国単位での目標修正を余儀なくされています。
そんな中、国内でも感染者の増加数が落ち着き始めるなど、明るい兆しが見えるようになってきました。
そこで今回は中国、台湾での訪日についての意識がどうなっているのかを見てみましょう。
中国・台湾を対象としたアンケート
今回参照するのは訪日外国人向けプロモーション支援や越境EC支援などを行うペイサー株式会社が2020年4月22日~25日に行ったオンラインアンケート調査です。 アンケートの対象は中国・台湾人合計878人(中国人:771名 台湾人:107名)となっており、新型コロナウイルス終息後の訪日旅行に関する意識を調査し、今後のインバウンド施策の方向性を検討する上での材料とすることが目的となっています。
コロナ禍でも訪日への意欲は衰えず
まず、新型コロナウイルスが終息したら日本へ旅行したいか、という質問について見てみましょう。
中国・台湾ともに訪日意欲は旺盛
最も気になるアフターコロナに訪日したいか、という質問については下記のような解答が得られました。
現状、海外への渡航は相互に制限されているわけですが、事態が終息した後には日本に旅行に行きたい、という声が多くを占めました。 コロナウイルスの感染拡大は2020年2月から本格化し、春節休暇にかかる形で海外への渡航制限が始まったことから、訪日旅行を断念せざるを得なかった人が多数いることが予想されます。
訪日したい時期で最も多いのは2021年
訪日したい時期についての質問では以下のような回答になりました。
コロナ渦の終息時期についての希望的観測がそのまま結果に反映されているようです。 次の大型休暇となる10月の国慶節の頃には落ち着いていて、訪日が実現できるのでは、と考えている人が中国では21.27%、台湾では17.76%という結果でした。 最も多かった回答はいずれも2021年になってから、というもので中国が38%、台湾が57%となっています。
まとめ
このように新型コロナウイルス渦は世界的な問題として拡大したため、それを理由に終息後も訪日を取りやめる、という考えには至らず、むしろコロナ禍以前同様の意欲が衰えていないということがわかりました。 訪日したい時期については回答者それぞれの予想、希望が回答に反映されていると思われますが、渡航制限が解除され、行き来が自由になった段階で一気にインバウンドが訪日する、ということも十分に考えられます。 インバウンド関連の事業者は終息を前提として早い段階でインバウンド受け入れの準備や対策を用意していく必要が出てきています。