【カジノ法案成立①】カジノで日本はどう変わる?

カジノ法案の成立を受けて日本初となるカジノが2020年代半ばの開業を目指して準備が本格化していくことになります。
観光先進国化の切り札として政府が期待するカジノ法案ですが、インバウンドに、また私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか?

どんな法案?

まず、カジノ法案について整理していきましょう。
2018年7月20日に成立したカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案は『カジノやホテル等を一体化した総合レジャー施設の整備を国内三か所を上限として認める』、というものです。
日本には競馬や競艇等、公営のギャンブルは許可されていましたが、これはギャンブルの運営を公に認める初めての事例となることから注目を集めていましたが、ついに可決に至ったということになります。

カジノが設置される候補地はどこ?

カジノが設置された場合、周辺の経済は大きく潤うことが予想され、いくつかの自治体が誘致先として立候補しています。
特に有力と言われているのは下記の3か所です。

東京

東京は言わずと知れた日本の首都であり、2020年の東京オリンピックが開催されるということもあり、お台場、青海エリア等が有力な候補地とされています。
集客の心配がないという点、アクセスが良いという点も評価されているようです。

大阪

大阪も関西方面の窓口となることから海外からのアクセスが良く、2025年に万博が開催されることが決定していることから、カジノと万博の相乗効果が期待されています。

長崎

カジノで経済を活性化するという視点で見た場合、既にある程度の規模で経済が回っている都市よりも地方都市に誘致するべきという意見も出てきています。
そこで候補地に挙げられているのが長崎県です。その場合は佐世保市のハウステンボス周辺がカジノ設置の候補地となりそうです。

その他

これ以外にも北海道、神奈川、宮崎等が候補地として立候補していますが、今後さらに誘致を表明する地域が出る可能性もあります。

日本のカジノはどんな形態?どこの国に近い?

ビジネスとしてのカジノ運営には大きく3つの形態がありますが、日本のカジノはどのような形態で運営されるのでしょうか?
モデルとなる3つのカジノ運営の形態を見てみましょう。

ラスベガス型

カジノといえば思い浮かぶのがラスベガスですね。
ラスベガスの特徴はテーマパーク型のホテル、スポーツイベントや大物アーティストのコンサート、マジックショー等を擁した総合エンターテインメント路線です。
ホテルだけではなくラスベガスの街そのものが非日常的な空間となっており、世界中から観光客を集めることに成功しています。カジノそのものの収益は相対的に小さくなっているのが特徴です。
売上の内訳はカジノが4割を占め、飲食・ショッピング、ショー・イベント、宿泊は、15%、30%、15%です。

マカオ型

マカオはラスベガスとは逆のアプローチをとっており、収益の7割以上がカジノというカジノ特化型の運営を行っています。
カジノで得られる収益の半分近くは中国人を中心とするVIPが支えていると言われるマカオのカジノではカジノ間でのVIP客の奪い合いが日常的に行われていますが、1晩に数百万から数千万円もの消費をする富裕層に依存したカジノ運営は当然ながらリスクが大きいと言えます。
内訳を見るとカジノが約65%を占め、飲食・ショッピング、ショー・イベント、宿泊でそれぞれ約11%です。

シンガポール型

シンガポールは2010年にカジノが合法化され、2つの施設が開業しました。
シンガポールのカジノはラスベガスとマカオの中間を狙う形でスタートし、「統合型リゾート」という言葉で表現されています。
カジノ単独の収益が大きくなりすぎることのリスクを避けるために規制が行われていることで健全な経営を維持する試みが行われています。
また、2施設ともホテルの稼働率は95%を超えるとされ、周辺諸国からの集客にも成功していると言えそうですが、収益に大きく影響を与えるのは中国人富裕層という点ではマカオと同様で、一定のリスクは存在しています。
内訳はカジノが50%で、飲食・ショッピング、ショー・イベント、宿泊でそれぞれ約17%とバランスが取れた収益モデルになっています。
日本のカジノは統合型リゾートを中心としてバランスが取れているシンガポール型をモデルとしたカジノ運営を行っていくと言われています。

カジノへの反対派多数

カジノ法案は多数の反対派を押さえて可決されたことが記憶に新しいですが、時事通信が7月に実施した世論調査ではカジノを軸とした統合型リゾート(IR)実施法案への賛否は「賛成」22.1%、「反対」61.7%、「どちらとも言えない・分からない」16.2%という結果でした。

反対派の根拠の主なものには治安の悪化、ギャンブル依存、マネーロンダリング等の犯罪行為等が挙げられていますが、これらの反対意見を押し切っての可決となったわけです。
それではカジノ法案賛成派の意見の拠り所になるであろう、カジノのメリットはどのようなものだったのでしょうか?

次回はカジノ運営によるメリットとデメリットをそれぞれ見ていきながらその是非について考えてみましょう。

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