聖地巡礼ブーム起こる
「聖地巡礼」。この言葉は、2016年のユーキャン新語・流行語大賞トップ10にランクインしたり、SNS上でも話題になっていたので、よく見かけた言葉だったのではないでしょうか?
聖地巡礼とは
宗教において重要な意味を持つ聖地を訪れることから転じて、自身の好きなアニメや漫画に縁がある地を「聖地」と呼び、実際に訪れること。
アニメや映画を観て感動した時、どこがモデルになったのか、どこで撮影されたのかやっぱり気になりますよね。
この流れは外国人にも広まっているんです! その理由と今後の聖地巡礼を含んだアニメツーリズムについて、昨年大ヒットし、聖地巡礼ブームを巻き起こした「君の名は。」を例に調べてみました。
「君の名は。」聖地巡礼の火付け役
日本で大ヒット!
日本における歴代興行収入は、宮崎駿監督の「もののけ姫」と「ハウルの動く城」を超え、4位にランクインするほど、日本中が大熱狂につつまれました。
海外にもブームが!
「君の名は。」ブームは世界125の国と地域まで広がり、全世界での興行収入合計は「千と千尋の神隠し」を抜き日本アニメ史上最高となりました!特に中国での最終興行は約95億円までにのぼりました...!! 聖地巡礼のブームは海外にも広がり、飛騨市にたくさんの外国人聖地巡礼者が殺到したという報道は記憶に新しいと思います。
飛騨市はブームに対応
飛騨市は、聖地巡礼ブームを町おこしのてことするべく、ホームページのトップには「君の名は。」聖地巡礼ルートを紹介しています。外国人にも口コミで聖地巡礼が広がったこと、聖地巡礼ルートが確立されていることが、外国人が殺到した理由であると思われます。
訪日インバウンドの効果は?
公開からもうすぐ1年になる「君の名は。」のインバウンド効果は実際どのようなものだったのでしょうか?
高山市
2016年の外国人観光客の宿泊者数はなんと、約42万人を超え、過去最多となりました。ある台湾サイトでは、聖地巡礼をするためだけに来日した熱狂的ファンもいたと報道されています。
飛騨市
飛騨市全体
2016年の観光客数が100万5881人と前年より3.6%増えたと発表しています。
飛騨市図書館
映画にも登場する飛騨市図書館を訪れた聖地巡礼者数は約3万6000人と推計しています。
飛騨市観光課の意気込み
こういった海外での熱狂を受けて、飛騨市観光課は「アニメツーリズムを突破口に、飛騨市のファンを増やしていきたい」と意気込みを語っています。
アニメツーリズムの可能性とは?
観光庁訪日外国人消費動向調査(平成26年1-3月期)によると、「訪日前に期待していたこと」に対して、5.9%の外国人は「映画・アニメ緑の地を訪問」と回答しています。2016年の訪日観光客数は2403万9千人(出典:JNTO)であり、この5.9%の約144万人は聖地巡礼を目的とした訪日であることが分かります。 この膨大な訪日観光客をいかに観光地に呼び込むのかが今後のアニメツーリズムの鍵になってくると予想されます。
今後の展開について
今回、アニメツーリズムの大成功を収めた飛騨市は、まだまだ続きそうな「君の名は。」ブームに備えて、これからも聖地を訪れたくなるような仕掛けをするとのことです。 具体的には、高速バスを「君の名は。」のデザインにすることや、「君の名は。」聖地巡礼マップを作製することが計画されています。 いまだ衰えることもない「君の名は。」ブーム、訪日インバウンド効果にまだまだ目が離せません。