ベトナムからの訪日観光客が急増しています。
2018年8月に日本を訪れた訪日ベトナム人は3万4200人、前年同月比で38.7%の増加率となっています。
2018年8月の前年同月比の増加率を国別で比較すると2位のタイ:31.3%増、3位のスペイン:29.8%増を押さえてベトナムがトップになっています。
東南アジアからのインバウンド獲得に注目が集まる中、ベトナムは本命の一つになるかもしれません。
なぜベトナム人が訪日するのか?
親日度が高い
大手広告代理店・電通のプロジェクト「チーム・クールジャパン」が行った調査によると、ベトナムは「親日度ランキング」で1位にランクイン、高い親日度を伺い知ることができます。
日本語学習者の多さ
その背景には日本語学習者の多さ(2015年時点で64,863人)が挙げられます。日本語学習者は2012年と比較すると38.7&増加しており、観光だけでなく就労先として日本を視野に入れる人が多いと言われています。
日本人に似た性格
また、ベトナム人は真面目で勤勉で日本人に近い性格を持っていると言われる他、気さくでフレンドリー、話好きな国民性であると言われています。
ベトナムからのインバウンド誘致が重要な理由
JNTOの資料から2017年7~9月期の国別の訪日旅行消費額を見ると、ベトナムは194億円で全体では7位にラインクインします。 ところが1人あたりの消費額を見た場合、ベトナムは約26万円を消費しており、平均の16万5,412円を大きく上回り全体で1位となっています。 これにはベトナム人の平均宿泊数が36.6泊と全体で最長となっていることも影響していると考えられます。 このようにベトナムからのインバウンドを誘致することで大きなビジネスチャンスが生まれると言えるでしょう。
ベトナム人が行きたい日本の観光地は?
団体旅行はゴールデンルートのパックツアー
では、ベトナム人が行きたいと考える日本の観光地はどこなのでしょうか? ベトナム人の旅行形態を見ると観光目的に限ると約半分が団体旅行となっており、その場合はゴールデンルートを行先としたパックツアーが多いようです。
ドキュメンタリー番組で日本の7地域を紹介
ベトナムではFacebookをはじめとしたSNSが盛んですが、2016年の1月24日から3月27日の間、ベトナムで放送されていた情報ドキュメンタリー番組「日本の色」のFacebookページには1万6千件を超える「いいね」がされています。 この番組では青森県・新潟県・鹿児島県・山形県・長野県・富山県・大分県の7都道府県が紹介されており、弘前桜やねぶた祭り、山形県の蔵王連峰のロングトレイルや出羽三山、長野県の北アルプス・槍ヶ岳、佐渡島の能楽などが注目を集めました。 その影響もあってか、ベトナム人の個人旅行では地方に人気が集まりつつあるようです。
雪の降らないベトナムでは冬の景色が人気
旅行会社のエイチ・アイ・エスが2017年10月に発表した「タイ人・ベトナム人に聞いた日本のここにいってみたい! 冬の絶景トップ10」というランキングでは、1位が富山県の五箇山合掌集落、2位が岡山県の備中松山城、3位が滋賀県のびわ湖バレイという結果になりました。 いずれも冬の美しい景観が自慢の観光地ですが、南国であり北部でしか雪の降らないベトナムに住む人々にとって美しい雪景色は憧れなのかもしれませんね。
まとめ
ベトナムが有望なマーケットであることがわかりました。JNTOもベトナムに事務所を設け、プロモーションに力を入れていることもありますので、今後も成長が見込まれるのですが、地方への送客、誘致を狙う場合には個別にプロモーションを行う必要があります。 Facebookが情報収集手段として盛んなベトナムではFacebookを活用したプロモーションが有効ですので、ベトナムからの集客をしたい地方の観光関係者の方は自治体等と相談の上、早めにプロモーションを行う事をおすすめします。