過去数年に渡りインバウンド人口は過去最高を更新し続けていますが、2018年度のインバウンド数はどのようになったのでしょうか?
2018年のインバウンド数を確認しながら、2019年の展望と課題について確認していきましょう。
2018年のインバウンドは3000万人を突破
1月11日の閣議後、石井国土交通相は2018年のインバウンド数が3119万人と3000万人の大台を超えたことを明らかにしました。 これは前年比8.7%増となり、6年連続で過去最高を更新したことになります。 2018年は6月の大阪府北部地震の他、西日本豪雨や台風、北海道の地震などの自然災害が相次ぎ、多数のキャンセルが出ることになる等、必ずしも良い条件とはいえない状況でしたが、継続的に行ってきた受け入れ態勢の整備や訪日プロモーション強化が寄与したと石井氏は述べています。
2019年の見通しは?
インバウンド数の政府目標は2020年に4千万人に設定されていますが、今年2019年のインバウンド数はどのような見通しとなるのでしょうか? (株)JTBの2019年の旅行動向見通しによりますと、2019年のインバウンド数は前年比12.3%増となる過去最高の3550万人と大きな伸びを予想しています。
主な2019年のイベントは?
では、2019年にはどのようなイベントが控えているのでしょうか?
9月20日~11月2日 ラグビーワールドカップ
ラグビーワールドカップはオリンピック、サッカーワールドカップに次ぐ世界3番目の規模を持つスポーツイベントです。 前回大会となる2015年のイングランド大会の総観客数は240万人を超えていることから、9月20日から11月2日まで開催される2019年大会も大くの観光客に加えてマスコミ関係者等の来日が期待できそうです。
6月28日~29日 G20 大阪サミット
G20は、G7(日本、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、EU)に新興国を加えた20カ国・地域からなるグループです。 今回のサミットはこれまで日本で開催されたサミットの中で最大の規模となります。 G20には訪日外国人の中でも国別で上位を占める中国・韓国・インドネシア・オーストラリアが参画していることから、各国へのアピールのいい機会になるのではないでしょうか? また、G20首脳会議は大阪が会場ですが、関係閣僚会議は全国8ヶ所で開催されますので、会場となる都市を中心に地方にも波及効果が見込めそうですね。
マイナスになる要素はある?
このように大型のイベントが控える2019年ですが、マイナス要因はあるのでしょうか? まず、1月7日から徴収が始まった出国税があります。これはチケット代金に上乗せされる形で徴収されるもので、今のところ影響は少ないという調査結果が出ているようです。 また、昨年相次いだ災害の印象が諸外国に強く残っていることが考えられ、訪日外国人に対して安全の確保を徹底できるのか、という点を重視した整備を行い、各国に対して安全をアピールすることも必要でしょう。
まとめ
このように2019年のインバウンド数については明るい展望と言って良さそうですが、JTBの予想となる3550万人は2018年の3119万人にさらに500万人以上を上乗せした数字です。 この人数を受け入れ、日本滞在を楽しんでもらうためには官民一体となった環境整備や資源開発が必要です。 東京オリンピックが控える2020年に弾みをつける意味でも今年は日本が観光立国となる上での試金石となる1年になるのではないでしょうか?