AIが人に変わってあらゆる仕事をこなすようになる、というような記事や報道を目にするようになりましたが、インバウンド対応が必要な場面でロボットを活用するという事例が増えてきています。
ロボットレストランを中心に探っていきましょう。。
ロボットレストランはなぜインバウンドに人気?
2012年、新宿歌舞伎町オープンしたロボットレストランは年間20万人の外国人観光客を集める人気スポットとなっています。
データから見るロボットレストラン
①国別来客ランキング
特徴的なのは英語圏からの来客が多いという点です。国別インバウンド数でいえば中国が全体の4分の1を占めていることを考えると中国がランクインしても良さそうですが、ほとんど来場していないというデータになっており、開店から同じ傾向とのことです。 モノ消費からコト消費へ、と言われてから随分時間が経過し、中華圏からのインバウンドも爆買いからコト消費を楽しむようになってきている、という話を耳にするようになっていますがそれとはギャップのある結果です。
②来店のきっかけランキング
ランキングの中でも1位、2位が突出して多く、3位以下とは大きな差がついています。 英語圏からの来客はトリップアドバイザーの評価を参考に来店していると考えられるため、ロボットレストラン側も口コミにコメントを返す等、対応に力を入れています。 また、SNSにも力を入れており、SNSへの写真のアップを促すアナウンスをしたりと開店当初からSNSを重視したことが集客に繋がっているようです。
結論:SNSでシェアを促しうまく拡散できている
中国向けにはSNSとして微博を通して情報を配信しているということですが、リソースの配分としては欧米向けの対応が中心ということなので、中華圏向けのSNS対応をしっかり行えば来客増につながる伸びしろを残している、ということでもあります。 ロボットレストランがインバウンド人気を獲得している理由として、新宿歌舞伎町という立地や手薄とされるナイトタイムエコノミー需要を満たすコンテンツということが挙げられますが、その他にも派手な内装やショーがSNS等でシェアしたくなる、という点を意識し、うまく拡散することができているという点があるのではないでしょうか?
増えてきたロボット導入による接客対応
ロボットレストランでのロボットはエンターテインメントを提供するために導入されていますが、より実用的な導入事例が増えています。 京王電鉄は3月16日(土)から井の頭線・下北沢駅に音声による窓口案内を行うAIロボを導入しました。 AIロボは乗客からの乗り換えなどの問い合わせに対して音声やディスプレイ表示で回答することが出来ます。現在は日本語対応のみですが、将来的には多言語対応していく予定です。
ロボット活用にはこんな効果も?
また、多くのインバウンドが訪れている沖縄県の那覇バスターミナルでは音声とタッチパネル操作が出来る「多言語対応・路線バス乗り換え検索ロボット」を待合室に設置し、インバウンド対応の強化を目指しています。 インバウンド対応をする上で外国語対応が可能な人材の不足が問題とされていますが、ロボットによる対応が可能になれば現場レベルでの問題解決に一役買うことができそうです。
まとめ
ロボットレストランの集客についての情報からはロボットそのもののエンターテインメント性とそれを活かしたSNS経由のプロモーションを成功要因として読み取ることができます。 インバウンドの現場で必要とされているのは現状では京王電鉄などの実用性を重視したロボットの導入事例の方で、今後交通機関などを中心に導入が予想されますが、ロボットの高機能化によってよりキメの細かい接客対応が多言語で出来るようになると一気に用途が広がっていきそうです。