年々暑さが増しているようにも感じる日本の夏ですが、2020年に控える東京オリンピック開催期間中は多くの外国人が訪日することが見込まれていますが、暑さ対策の必要性が懸念されながらも有効と思える対策が取れているとは言えない状況が続いています。
今回はアンケート調査から外国人が感じる東京の暑さについて見ていきます。
ダイキン工業が行ったアンケートでは88%が自国より暑いと回答
アンケート調査は空調機器メーカー大手・ダイキン工業が(株)2014年に東京在住の外国人100人を対象として行ったものです。 特に注目すべき項目について見ていくことにします。
東京の夏(屋外)は自国と比べてどう感じるか?
耐えられないくらい暑い・・・25%
暑い・・・44%
やや暑い・・・19%
やや涼しい・・・12%
やや涼しいと回答したのは100名中12名、出身国別の内訳は中国3名、インド3名、アメリカ2名、イギリス1名、トルコ2名、アラブ首長国連邦1名となっています。 単純な気温だけでいえば中東やアフリカ、東南アジア等で東京よりも高い気温の都市もありますが、体感でいうと東京の方が暑いと感じている人が多いという結果です。
東京の夏を暑く感じる理由は?
複数回答可の質問ですが、20%以上の回答は下記のようなものがありました。
湿度が高い・・・80%
気温が高い・・・56%
地面がアスファルト/コンクリートに覆われている・・・28%
夜でも気温が下がらない・・・28%
人口密度が高い・・・24%
ビルが多く、風が吹かない・・・21%
この中で地面がアスファルト/コンクリートに覆われている、夜でも気温が下がらない、ビルが多く、風が吹かない等はヒートアイランド現象の特徴と言われ、東京はこの100年で平均気温が3℃上昇していますが、世界全体では約0.6℃、ニューヨークは約1.6℃の上昇となっていることから東京は突出して平均気温が上昇していることがわかります。
東京オリンピックの屋外観戦、54%が自信がない
真夏に東京で屋外スポーツを暑さに耐えながら観戦する自信がありますか、という質問に対して、約半分の54%の人が自信がないと回答しています。 また、暑さ対策としてオリンピック会場や街中にあったらいいと思うサービスとして以下のようなものが挙げられていました。
直射日光を避けられる場所、噴水など休める場所
エアコンの効いた観客席、屋外用扇風機で風を作る
うちわと帽子の自販機
ミストを噴射して涼しくする設備
東京都環境局は反射性と遮熱性の高い日よけや、微細ミスト設備を設置したエリアをオリンピック会場周辺の注目度が高い地域に設ける予定としていますが、過去記事で取り上げたようにhttps://addd-link.co.jp/2018/7629/新国立競技場にはエアコンが設置されていない他、暑さ対策として打ち水を活用するという小池都知事の発言もあり、有効性が疑問視されています。
まとめ
日本国内では熱中症で搬送される例が多いことから、熱中症についての認知度は上がっていますが、過去記事のように訪日外国人の多くが熱中症について認知度が低く、適切な予防や対策を取れていないことが考えられます。 消防庁によると2019年8月5日~8月11日の1週間で熱中症による救急搬送人数が1万2751人(速報値)となり、前年同時期より4110人も多くの人が熱中症に倒れています。 東京オリンピックに向けた実効性のある暑さ対策とともに国内外へ向けた熱中症の認知度向上、予防や対策の啓蒙を進めることが東京オリンピック成功を大きく左右すると言えるのではないでしょうか?