冬の訪日旅行の見どころといえばスキーに代表されるウィンタースポーツや温泉などが挙げられますが、訪日を検討しているインバウンドはどのようなことに関心を持っているのでしょうか?
今回はアウンコンサルティング(株)の調査を元に国別の傾向を見ていきます。
雪の降らない地域は雪へのあこがれがある?
参照するのはアウンコンサルティング(株)の調査で、世界12カ国を対象に2018年12月の日本国内の観光地の検索数を調べたものです。
今回の調査対象となっているのは韓国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、ベトナム、オーストラリア、アメリカ、イギリスの12カ国ですが、2018年12月の検索ボリュームから各国の傾向を掴み、2019年の需要予測に役立ててみましょう。
韓国
雪に関係しそうなスポットとしては白川郷が8位に出てきますが、季節性はあまり感じられませんね。
台湾
台湾の1位となっている柳川ですが、台湾国内にも柳川という観光地ああることから合算した結果、突出して大きい数字になっています。 2位、3位はいずれもスキー、温泉へのニーズが感じられますね。5位には白川郷がラインクインしています。
香港
1~3位は雪や温泉といった風景が目に浮かびますね。銀山温泉は侘びた温泉街に雪が降っているという銀山温泉の写真などを目にした人が興味を持っているのではないでしょうか? 5位のなばなの里は三重県桑名市のナガシマリゾート内にある植物園ですが、美しいイルミネーションが有名です。
タイ
タイでも白川郷が1位になっていますが、ベスト5だけを見るとそれほど温泉、雪への興味が高いようには見えません。しかしランキングを20位まで見ていくと地獄谷野猿公苑、ルスツリゾート、苗場スキー場などスキー場や温泉などが数多くランクインしていることがわかります。
ベトナム
近年のインバウンド増が目覚ましいベトナムですが、こちらは雪や温泉というよりまずベタな日本の観光スポットに行きたい、というニーズが高いようですね。 東南アジアだから必ずしも冬の雪にニーズがあるというわけではないようですが、訪日リピーターを育てるという意味では2回目、3回目の訪日でスキーや温泉を楽しむという提案をしておくのが良いかもしれません。 マレーシアもランキング5位以内に富士山、箱根、東京タワー、軽井沢が入るなど、ベトナムに似た傾向が認められます。
まとめ
今回のランキングを注視すると雪が降らない国で雪やスノーリゾート、温泉などについてのニーズが高いということは言えそうですが、国によってその度合いには違いが見えます。 今のところ初めて訪日する人が多いと思われるベトナムとオーストラリアのようにトップ10中の8つがスキー場や温泉、という国ではプロモーションを行う際のアプローチもおのずと違ってきます。 対象国の事情や状況をしっかり調査した上でツボをついたプロモーションを行いましょう。