新型コロナウイルス禍の影響を大きく受けている観光業界ですが、弊社がオフィスを構える京都市はどのような状態なのでしょうか?
報道からは見えにくい京都の実際のところを紹介します。
2020年2月の京都は?
京都市観光協会の発表によると、2月の外国人ののべ宿泊客数は9万4358人、前年同月の20万4309人から53.8%減と約半減となったことがわかりました。 国別に見ると新型コロナウイルスの影響で出国制限が行われた中国が76.7%減と大きく、韓国、香港、台湾も5割を超える減少となりました。
日本人観光客は微減
一方、日本人観光客の延べ宿泊客数は前年同月比で4.7%減と微減にとどまっています。結果として宿泊者数に対する外国人の比率は29.2%となっており、これはインバウンドが急増する以前の2015年とほぼ同じ水準となっています。
弊社モニターツアーでの実感は?
3月21日(土)、弊社では各国のモニターを対象とした京都市内観光のモニターツアーを開催しました。約半日、京都市内の主な観光地を巡るという内容でしたが、各観光名所の人出はインバウンドによる混雑が発生する前くらいの水準で、一般的な感覚でいえば混雑している、という状態でした。 弊社モニターツアーでの体感は京都市観光協会の発表を裏付けるものとなった形です。京都がガラガラ、というのはちょっと言い過ぎのようです。 インバウンド増のピークから見れば宿泊者数は減少したものの、国内旅行者の宿泊需要はまだ存在しており、新しいホテルや宿泊施設の建設も続けられているのが現状です。
京都産業大学からコロナ感染
このように2月の時点では京都を訪れる国内の観光客はそれほど減少していませんでしたが、楽観視するのはまだ早いかもしれません。 京都府では、3月31日に新たに13人の新型コロナウイルスへの感染が確認されていますが、このうち9人が京都産業大学の学生とその接触者とみられていることからクラスターの可能性が非常に高い感染であると考えられます。 また、全国的にも新型コロナウイルスの感染者が増加しており、非常事態宣言が出されるなど、国内においても人の動きが止まりつつあります。
まとめ
京都といえばインバウンド増による観光公害が問題になっていましたが、観光と地元住民の生活、という観点でいえば今の状態がバランスが取れている、ということも言えなくはありません。 しかし現在建設中のホテルや観光施設等は増加したインバウンドを収容することを前提に計画されていることを考えると、このままで良い、と言い切るのも難しいでしょう。 今回のインバウンド減は日本への興味が失われたことが原因ではないので、事態の収束後はまた多くのインバウンドが京都を訪れるはずです。その時、どのようにして京都の魅力を伝え、観光地・京都を運営していくのか、再考には良いタイミングかもしれません。