この特集にあたって
- 「コロナ禍での観光業界の具体的な状況を知りたい」
- 「観光に携わる方々がこの状況をどのように捉え、動いているのか?」
この記事はそのような方へ向けて書いています。
第五弾は『らくたび』
今回は京都の歴史・文化の魅力を発信している「らくたび」さんにお話を伺いました! 「らくたび」さんは、旅行会社様向け京都旅行の企画プロデュースや京都散策の主催・ご案内、京都学講座の主催・講演、ガイドブックの企画・編集・執筆など、多岐にわたって京都の魅力を発信しています。 詳しくはらくたびさんのHPと本記事をご参照ください。
らくたびさんのHPはこちら↓株式会社らくたび – 洛を旅するらくたび (rakutabi.com)
京都の魅力や楽しみ方を絶えず発信し続けている「らくたび」さんに、コロナ禍での状況や取り組みについてお聞きしました! プロフィール
株式会社 らくたび
観光事業部/出版メディア事業部 福馬俊太郎
らくたびさんについて
-らくたびさんについて教えてください!
左から「カフェ本」朝日新聞出版、「まっぷる」昭文社
弊社は、2006年に創業した会社になります。主な事業内容としては、観光事業と出版事業、そして京町家事業という3つの柱でやっています。 観光事業については、日本人の京都ファン向けに、イベント「京都さんぽ」を運営しています。また、京阪の祇園四条駅にある観光案内所を運営しておりまして、国籍問わず多くのお客様に観光の知識を活かしたご案内をさせていただいております。 出版事業については、ガイドブックなどを作らせていただいています。 そして、京町家事業については、国指定・登録有形文化財/市指定・景観重要建造物に指定されております「らくたび京町家(旧村西家住宅)」で修学旅行生のおもてなしや、誰でも気軽に参加できるお抹茶イベントをさせていただいております。
-らくたびさんは多岐にわたって京都の魅力を発信していますが、発信する際に何か意識していることや行っていることはありますか?
そうですね、まず自分が発信したいこと以上に、お客様のニーズをくみ取って企画することを1番大切にしています。例えば、ガイドブックの企画をする際には、お抹茶がブームになりそうだな、今盛り上がっているなと思った時に、お抹茶の特集を出版社に提案するなど、お客様が求めている情報をお届けするよう心がけております。 また、情報を集める際には、実際に自分の足で現地を歩くことで生の情報、最新の情報を得るようにしています。
コロナによる影響とコロナ禍での取り組みについて
-コロナによってどのような影響がありましたか?
昨年4月に緊急事態宣言が出た時は、社員の一時帰休を増やして、できるだけオフィスにいるスタッフを減らして対応していました。また、企画していた散策イベントも全てキャンセルという形で対応させてもらいました。京町家の貸出や出版事業も4、5月は厳しかったですね。 その後は少しずつお客様が戻ってきまして、特に秋、9~10月といった外に出ても過ごしやすい時期はある程度集客できました。今は6割、7割ぐらいですね。
-コロナ禍での感染予防策について何を行っていますか?
緊急事態宣言が発令されてから安心・安全への価値が高まっています。そのため、散策に参加されるお客様にはマスクの着用はもちろん、消毒、検温といった基本的な対策はすべてしています。 それに加えて、定員を減らしたり、「イヤホンガイド」というイヤホンをつけてのご案内によって、ソーシャルディスタンスを守って散策を行っています。「イヤホンガイド」があることで、歩きながらでも講師の声が聞こえるので、密にならず、お客様にもご満足いただいております。
-「イヤホンガイド」のほかに、コロナ禍で新しくはじめた取り組みなどはございますか?
オンラインを活用した京都講座やライブ配信をはじめました。 緊急事態宣言が発令された後、なかなか京都に遊びに来られない状況が続く中で、コロナ禍でも京都のことを知りたい方が弊社の社員様にも多くいらっしゃいました。そこで、何かこちらから元気になってもらえる情報を発信できたと思ってはじめたのが「らくたび通信ライブ版 -京、ちょっと旅へ-」で、代表の若村がお寺や神社の情報をほぼほぼ毎日SNSで配信しています。
「らくたび通信ライブ版 -京、ちょっと旅へ-」はこちらから視聴できます
これからの観光について
-コロナ禍の中で、今まで気付かなかった点や新しい発見などはございましたか?
オンライン講座の需要が思っていた以上に高いことですね。というのは、弊社のお客様は40代から70代が中心だったので、はじめる前はどの程度需要があるのか本当に模索しながらやったんです。会員様限定でオンライン講座を開講しているのですが、おかげさまでこのオンライン講座を通じて会員様が増えました。 また、オフラインとオンラインの組み合わせを考えるようになりました。例えば、事前収録した動画をオンライン講座に組み込むなどといった、リアルな京都散歩のいいところとオンラインのいいところを足したような企画を考えています。
-最後に、らくたびさんの今後の取り組みについて教えてください!
これからは、安心・安全を徹底した上で現地を楽しんでいただくかという点を大事にしていきたいと思います。今でもオンラインで京都の魅力を伝えていますが、どうしてもリアルな体験の魅力には勝てません。やはり現地を歩いて本物の文化財やお庭の風情などを感じていただきたい、年中行事や季節のお花など、京都を感じるツアーを開催していけたらと思っております。 一方、先ほど申した通り、オンラインと現地の散策を組み合わせて、このご時世でもお客様に満足していただけるツアーなど考えていきたいと思っております。
中井の一言コメント
今回お話を伺う中で、お客様のニーズに柔軟に対応しながら京都の魅力を発信していくことの重要性を学ばせていただきました。 また、お客様に京都のよさを知ってもらいたいと行動しつつ、福馬さん自身も京都について楽しく学んでいる姿勢を垣間見ることができ、その結果質の高いツアーや出版物がつくられているとわかりました。 福馬さん、この度は取材に応じてくださり本当にありがとうございました!