この特集にあたって
- 「コロナ禍での観光業界の具体的な状況を知りたい」
- 「観光に携わる方々がこの状況をどのように捉え、動いているのか?」
この記事はそのような方へ向けて書いています。
(この記事は2021年10月21日の取材をもとに作成いたしました)
今回は「glass studio May」
今回は「glass studio May」の安村さんにお話を伺いました!
glass studio Mayさんは、ガラス製品や制作体験を通して、多くのお客様を魅了しています。
藤森寮という築90年ほどの町家にお店を構えており、入るだけでワクワクするお店です。
glass studio MayさんのHPはこちらです↓
http://www.fujinomoriryo.jp/may.html
どんなときも明るい笑顔をお客様に提供している安村さんに、コロナ禍の様子や取り組みについてお聞きしました!
>プロフィール
glass studio May
安村 聡美
1. 安村さんについて
-安村さんがガラスの体験教室をはじめたきっかけを教えてください。
体験教室をはじめたのは、ほんの3、4年ぐらい前なんですよ。
私には息子がいるんですけど、息子が幼稚園児ぐらいの時は自宅で創作活動をしていたんですね。その時に息子もガラスを自分で切ったり並べたりしていて、それを見て、「子どもでも興味を持てばできるんだな」と思ったんです。
ちょうどその時期、幼稚園のママ友達からもガラス作りをやりたいとの声をいただいていたので、最初は内輪だけではじめて楽しんでおりました。
その後は、アトリエを転々としながらガラス体験のお手伝いをしていたのですが、現在の藤森寮にアトリエを移してから本格的に体験教室をはじめました。
予想よりも多くのお客様に利用していただいているので、現在も続けているという感じですね。
-そもそもどうしてガラス細工に興味を持ったのですか?
高校からずっと美術系に進学していたんですけど、大学の2年生の夏休みに吹きガラスの体験合宿が能登島であって、興味を持って参加してみたんですよ。
そうしたら、そこではまっちゃって、大学出てからは関東のガラス学校に行くことにしました。
そして、ガラス工場や知り合いのガラス工房でアルバイトをしたのち、七宝焼¹の会社で制作勤務の仕事に就いたのですが、次第に自分の作品作りがしたいという気持ちを強く持つようになったため、会社を辞めて、現在は体験教室と並行しつつ自分のアトリエでガラスの制作活動をしております。
¹金属素地にガラス質の釉薬を盛り電気炉の熱で焼き付ける事で出来る工芸品
-ガラスのどのようなところに魅力を感じますか?
ガラスという素材に関していえば、ガラスの持つ透明感や光を通すことによる見え方に魅力を感じますね。
しかし、素材の魅力はもちろんですが、私はガラスを用いて作品を作ったり作業する感じが性に合っていると感じています。
自分で考え思いつき、試作を重ね、試行錯誤しながら作品を作るその過程が、自分に合っているのかもしれません。
それに、もともと人とお話をすることが好きなので、体験教室などを通して色々な方とお話することができており、人との絡みや繋がりも持てていることにも感謝しております。
2. コロナ禍と藤森寮
-コロナの感染拡大から1年以上経過しましたが、その間の様子について教えてください。
実は、私が藤森寮にアトリエを構えたのは、コロナ禍の去年の7月なんです。
隣のギャラリースペースも去年の11月からで、どちらももともとは違う場所でやっておりました。以前使わせてもらっていた場所は、体験教室をより本格的に開催しようと2020年の春に向けて新しく借りた場所だったんですが、借りはじめてすぐにコロナが広がってしまって、、
ピタッと体験のご予約も止まってしまい、緊急事態宣言が出ていた5、6月は体験教室を閉めておりました。
そんな中、散歩がてら鞍馬口通りの方へ遊びに行ったところ藤森寮が開いておりまして、そこの方と他愛のない世間話をしていたところ、藤森寮の南棟が6月に空くとのこと。
それを聞いて、ほとんど反射的にこっちに移りたいと思ってしまって、本当に6月中後半にこちらの場所へ移ってくることになりました笑
そして、7月にはすでに予約が入っていましたので、それに間に合わせるように荷物を全部運んだりアトリエの中を自分好みに改装して、7月最初のお客様を迎えることができました。
その後も、ちょこちょこお客様には来ていただいておりまして、現在も藤森寮で楽しく活動させていただいています。
-コロナ禍でお仕事や生活に変化はありましたか?
藤森寮だからという訳ではないと思うんですけど、この1年は地元の方や京都にお住まいの方に多く来ていただけました。
以前までは、大阪・兵庫などの近県や関東方面から旅行で来られて体験するという方が主流だったのですが、やはり旅行したり遠くに遊びに行けないということで県外のお客様は減りましたね。
一方で、京都市内のお客様にお話を聞くと、「近くで遊べるところないかな」、「何かできるところないかな」、と検索してアトリエを見つけくださったお客様が結構いまして。
この機会に京都市内の方に、アトリエや藤森寮のことを知っていただきたいと思っております。
―それでは、藤森寮に来てから環境や気持ちの変化はありましたか?
環境はもちろん変わりましたし、何より気持ちの変化が大きいですね。
自分のアトリエだけでなく、藤森寮に人が入ってきてほしい、人の流れをつくりたいと思うようになりました。
アトリエや藤森寮が目的であってもなくても、まずは入ってきていただいて、こんなのがあるんだとかこんな体験できるんですねと感じていただきたいです。
3. 安村さんのこれから
-今回お話聞く中で、安村さんが多くのお客とのコミュニケーションをとても楽しんでいることが感じられました。こういったものが仕事のやりがいにつながっていたりするのですか?
そうですね。特にギャラリーのスペースをやっていると、作家さんもよく来られるんですけど、ものづくりをしている繋がりでお仕事の話を結構聞けるんですよ。
そういう方と普通にお話したりできるのはとても楽しいですし、「ものづくり」が接点の1つとなって見知らぬ人と沢山話せる機会が持てているのでありがたいですね。
それから、私自身もともと色々なものが見たい、違うものを知りたいという感情があったので、このアトリエ・ギャラリーを通して色々な人の生活や仕事スタイルを知ることができています。
沢山新しいことを知ることによって、時には新しいことを覚えないといけないのかとしんどくなることもありますけど、今は逆に知れて良かったと思えるようにもなりました。
次から次に違うジャンルのお話が聞けて刺激になってますし、毎日勉強になっていますね。
-最後に、これから挑戦したいことなどあれば教えてください!
期間限定で何かイベントができればと思っております。イベントを通して多くの方に、藤森寮のことを知っていただきたいです。
現在も船岡山・北区でイベントが開催されておりまして(「“もっと” 船岡山も北区も盛り上げたい!」キャンペーン)、ここもスタンプラリーの1つなんです。
自分のアトリエやギャラリーはもちろん、エリアを問わずものづくりを通じて、地域の方々や藤森寮にお越しくださった方々と一緒に楽しめる様な場づくりが出来ればと願っております。
「“もっと” 船岡山も北区も盛り上げたい!」キャンペーンについての詳細は以下から↓
https://kyoto-funaokayama.com/astrology/
中井の一言コメント
今回の取材を通して、行動に移す時の積極性やお客様・作家さんとの信頼関係の大切さを学びました。
また、インタビュー中にお客様がふらっと入ってこられるのを見て、藤森寮やglass studio Mayがいかに魅力的な場所か感じることができました。
安村さん、この度は取材に応じてくださり本当にありがとうございました!