この特集にあたって
- 「コロナ禍での観光業界の具体的な状況を知りたい」
- 「観光に携わる方々がこの状況をどのように捉え、動いているのか?」
この記事はそのような方へ向けて書いています。
(この記事は2021年7月14日の取材をもとに作成いたしました)
今回は「竹の店 かめやま」
今回は「竹の店 かめやま」の大崎さんにお話を伺いました!
かめやまさんは、竹箸や耳かきなどの高品質で使いやすい竹製品を扱っているお店です。
「気軽で楽しいお店」をモットーにしており、店主の大崎さんもとても気さくな方です。
かめやまさんのHPはこちらです↓
https://takeshop-kameyama20.jimdofree.com/
全国の多くのお客様に愛されているかめやまさんに、コロナ禍の様子や取り組みについてお聞きしました!
>プロフィール
竹の店 かめやま
大﨑健次さん 大﨑千津子さん
1. かめやまさんについて
-かめやまさんは竹製のお箸や耳かきが有名ですが、100年以上竹製品をつくり続けているのですか?
いえ、今は販売がメインですね。
うちのおじいちゃんの時代は、ここでものを作って問屋さんに納めたり、いくつかを店先で並べて販売しておりました。
私がお店を出している二年坂・三年坂という場所は、昔はお墓参りの通り道だったんですよ。
なので、お墓参りに来はったお客さんが祇園さんや清水さんに行かはる時に、何かいいものがあったら買っていくというのが、ここで小売店が始まった起源やったんです。
そして大阪万博以降に観光という形ができてきて、その後は二年坂や三年坂もそういう場所になってきたんですよ。
ここに観光客が来るようになってから、ものを作ることからものを売る方に体制が変わっていって、今のように商売するようになりました。
-お仕事をする上で大切にしていることはありますか?
商品の押し売りはせずに、商品の特徴や良さを説明して、欲しいと思ってくださった方に買ってもらうようにしています。
最近では色々なお土産屋さんの販売形態があると思うのですが、私のようにお客さんに説明を聞いていただいた後に買ってもらうという形はあまり多くないと思います。
もちろん商品をたくさん買ってほしい気持ちはありますが、「この箸はこういう良さがありますよ。この耳かきはこういう良さがありますよ。」などと説明した上で、納得して買ってもらうというのがポイントやと思いますね。
-最近は何でもオンラインで買える時代ですもんね。良さとか説明していただけるのは、買う立場としてもとても楽しいですし、店舗売りでしかできないポイントですよね。
そうですね。
ホームページも一応は作りましたが、ホームページでは売りたくないんです。
ホームページやったら、温かみが感じられないので。
ですので、ホームページには値段とか一切入れておりません。
全体的な説明はしていますけど、基本的には店に来ていただいて、お客さんと対面でお話することによってその良さを知ってもらいたいんです。
お店に来ていただいて、対面で販売するというのが基本のスタンスですね。
2. コロナ禍の様子と取り組みについて
-コロナの感染拡大がはじまって約1年がたちましたが、事業に関して変化はございましたか?
売上は全く伸びないですね。商売にならないです。
うちは年配の方に多く利用していただいています。ワクチン接種が始まる前は特に、年配の方の感染リスクがとても高かったので、お客さんの足も止まっておりました。
GoToトラベルの時期に一度人が増えてきて、一時的に売上は元に戻ったのですが…
その時に印象的だったのが、お客さんが言わはった「やっと来られた」という言葉。
とても嬉しかったのと同時に、コロナを完璧に押さえつけへんと絶対あかんと思いましたね。
-では、コロナ禍では対外的なアピールというよりは、人とむやみに接触することを避けるなどしてコロナの感染を押さえつけるという方向に注力していたということでしょうか?
そうですね。
とりあえずコロナをやっつける方が先だと思いましたので、去年の緊急事態宣言の時も休業していましたし、感染拡大で騒がれているタイミングではできるだけ休むようにしておりました。
もしお客さんが来はったときは、家のチャイムを押してもらう形で対応させていただきましたね。
私どももワクチンも打ち終わりましたので、これからはやっていこうかなと思います。
-コロナ以降、新しく始めた取り組みなどはございますか?
ホームページの開設やお店の改装、空気清浄機のセッティングなど、コロナ以前の賑わいを戻すために着々と準備を進めております。
特に、支払時にクレジットカードが使えるようにしたことが大きいですね。
というのも、私がもともと機械にあまり詳しくなく、今までずっと現金だけの対応だったんですよ。
しかし、昨年は消費税増税に伴ってカード支払時に5%の還元が行われていまして、そうなるとカードが使えないというのは、お客さんに対して不義理なことなのではないかというのが私の発想なんです。
お客さんから利益をいただいているんです。
基本的に少しでも安くていい商品を提供するというのが、お店を経営する者として考えなあかんと思うんですよね。
ですので、これまでキャッシュレスに消極的やったのですが、この機会にカード支払いを導入させていただきました。
3. 今後のかめやまさんについて
-仕事をする上でやりがいなどはありますか?
沢山のお客さんにリピートしてくださっていることですかね。
うちの商品を買ってくださる方の半分以上がリピーターさんなんです。
私たちが家にいるときは休みの日でものぼりをあげておりまして、それを見つけたお客さんがわざわざチャイムを押してお店に来てくれはるんです。
いつも利用してくださるお客様には、とてもありがたく感じていますね。
-今後やりたいことや挑戦したいことなどあれば教えてください!
現状の姿勢でどこまで事業を継続できるか考えていきたいですね。
だんだん日本の経済力が落ちていったときに、日本の方だけを対象にしていてどこまで続けられるかもわかりませんし、私自身いつまで仕事できるかわかりません。
ですので、今後も娘たちがやっていけるように、リピーターさんを中心とした形や新規のお客様に利用していただけるためにできることなど、様々な形を想定して10年先、20年先にも同じ体制でできるような店づくりを進めていきたいと思っております。
中井の一言コメント
今回の取材を通して、お客様とのつながりや信頼関係を築く大切さを知ることができました。また、「来てくださったお客様が笑顔になって帰ってほしい」という姿勢に、大崎さんの温かさをとても感じました。
大崎さん、この度は取材に応じてくださり本当にありがとうございました!