先日、世界最大手の口コミサイトであるトリップアドバイザーから、『外国人に人気の日本のレストラン ランキング 2017』が出ました。今年で4回目になるこのランキングですが、ランキング上位になれば訪日外国人が行列をなすほど押し寄せます。
今回はどのようなお店が外国人集客ツールであるトリップアドバイザーのランキング上位にあるのか、またどうやったらランキング上位に入れるのか探ってみます。
また、日本で口コミランキングサイトと言えば、『食べログ』が最強です。トリップアドバイザーのランキング上位店が食べログではどんな扱いなのかにも触れていきましょう。
トリップアドバイザーとは すべての旅の可能性を存分に引き出すことを目的とした、世界最大級の旅行サイトです。 世界最大の旅行掲載情報のセレクション(700万を超える宿泊施設、航空会社、観光名所やレストラン)を対象とした5億件以上の口コミ情報で、トリップアドバイザーは、旅行者がどこに滞在し、どのように飛行し、何をして、どこで食事をするかを決定する上で参考にできる「大衆の意見」を提供します。
(トリップアドバイザー公式ページより)
2017年のランキングと前年度の比較
(アドリンク調べ)
初登場が16件にもなり、半数以上を占めています。つまり、4年間の蓄積からランキングが作られていないことを意味しています。そのため、新規参入でも十分にランキング上位を狙うことが可能と言えるでしょう。
お店のジャンル
(アドリンク調べ)
今回はかなりばらけています。ただ、お寿司、和牛ステーキ(焼肉)、お好み焼きは不動の人気ですね。鉄板焼きやカウンターのように、お客の目の前で料理してもらえるものが人気のようです。
お店の場所
都道府県別
(アドリンク調べ)
ランキングに入ってるお店の所在地を都道府県別にしてみました。1位は納得の京都ですが、2、4位には岐阜や石川が入っています。また、人気のはずの北海道や沖縄が入っていません。これはつまり確固たる地位を確立している飲食店が北海道や沖縄には少ないと言うことです。 地区別で言うと、関西だけで13件も入っています。
アクセス
(アドリンク調べ)
最寄り駅から徒歩でどれくらいで行けるのかを分類してみました。過半数が駅からすぐのところにあるようです。
近隣の観光名所
(アドリンク調べ)
徒歩10分圏内で行ける観光名所を調べてみました。それによると、ほぼ全て外国人に人気のスポットの近くでした。そのお店目当てに来ている人は少ないのかもしれません。
クレジットカード
(アドリンク調べ)
インバウンドで有効だと言われているクレジットカードですが、今回のランキングに入っているお店で使える場所が14件でした。少ないと思われるかもしれませんが、日本の飲食店での普及率はたったの21%なので、47%も導入していることから、割合としては多い方だと言えます。
特別な食事への対応
(アドリンク調べ)
今回ベジタリアンやハラール対応など特別な食事への対応をしているお店が過半数を占めました。聞き慣れないものもあると思いますので、用語の説明から入ります。 ベジタリアンは誰でも聞いたことがあると思います。菜食主義者のことで、細かく分けると色々ありますが、広義的には野菜しか食べない人のことです。 グルテンフリーは小麦、大麦などに含まれているグルテン。アレルギーの人はもちろん食べれませんが、このグルテンを意識的に摂取しないことでダイエット効果や美容効果があることからアメリカで話題になっています。最近日本でも流行りだしているため、徐々に導入しているお店も増えているようです。 ハラール対応は制約の多いイスラム教徒向けの配慮です。信仰心の薄い教徒であれば、日本にいる間は例外! などと言っている人もいますが、信仰心の強い教徒であれば、そうはいきません。 最後のヴィーガン料理ですが、広義的にはベジタリアンです。そのベジタリアンの中でも卵や乳製品も禁じている『絶対菜食主義者』のことを指します。ビヨンセやアリアナ・グランデ、ナタリー・ポートマンなどの海外セレブも実践していることから人気に火がついたようです。 外国人相手だとやはりこのような特別な対応は必須になるようです。何らかの対応をしているお店は今回18店にも及びました。外国人を呼び込みたいならこういうところで差別化を図っていきたいところです。
自社HP
(アドリンク調べ)
自社HPを持っているのは一般的ですよね。HPがなくてもfacebookページなどで補っていたりと、30店中29店舗がどちらかありました。また、facebookページの場合、自社でやっていなくても、他人が勝手に作っている場合もあります。そのお店のファンがやっていたとしてもコントロールが効かないため、使わなくても前もって自社で作っておくと良いかもしれません。 また、HPの6割が日本語だけでなく、英語での対応されていました。その中でも2店舗は7言語以上対応されていました。中国語(簡体字、繁体字)やハングル、スペイン語、フランス語はもちろん、イスラムやロシア語まで対応されていました。
客単価
(アドリンク調べ)
昼も夜も値段が比較的安いところが人気であることがわかります。また、1万円以上のお店はどちらも東京のお店で『タパス モラキュラーバー』と『神戸鉄板焼 白秋』でした。
GoogleMAP、食べログとの比較
GoogleMAP、食べログに評価なし
(アドリンク調べ)
GoogleMAPに評価がなかったのは2件、食べログには5件ありました。ちなみに、共通する2店舗は『韓の台所 カドチカ店』『モーガンズジビエ&グリル』です。『韓の台所 カドチカ店』はチェーン店で徒歩1分圏内に同じ名前のお店が他に2店舗あります。GoogleMAP、食べログでは他店の方が評価やコメント数が圧倒的に高い結果になりました。日本人と外国人で味を店舗ごとで分けているのかもしれません。もう1店舗の『モーガンズジビエ&グリル』は今年の4月に閉店(移転?)したようです。なので、GoogleMAP、食べログの両方ともに存在しません。閉店してしまったお店をランキングに載せるのはどうなんでしょうか。
平均値
(アドリンク調べ)
評価の平均値がトリップアドバイザーとGoogleMAPでは似たような数値が出ています。ここは相関関係がありそうです。それに比べて食べログではかなり低い値です。口コミ件数を見ても差は歴然で、トリップアドバイザーでは評価されていても食べログでは評価されていない店舗が多いようです。
口コミ件数、評価ともに1〜5位をピックアップ
(アドリンク調べ)
トリップアドバイザー、食べログ、GoogleMAPにおいて、上位5位に色をつけてみました。トリップアドバイザーの評価5には全てに色をつけて、GoogleMAPには評価4.8がかなり被っているので、それ以上に色をつけています。これでもトリップアドバイザーとGoogleMAPには相関関係がかなり見られます。口コミ、評価ともにだいたい被っています。しかし、食べログにおいてはその両者の評価が高いものを避けるようにして、評価されています。
トリップアドバイザーの口コミの言語別比較
口コミ件数の平均値
(アドリンク調べ)
圧倒的に英語だけが突出していて、平均175件ものコメントが付いています。日本語は英語の1/7ほどしかありません。また、平均値では中国語の方が日本語よりも多く2倍以上も多い結果になっています。
上位3位を獲得した数
(アドリンク調べ)
口コミの言語で多かった順に1〜3位につけた件数を出してみました。これによると1位を獲った件数トップは英語でした。続いて、1位を英語が独占したため、2位を獲った回数で比較します。日本のお店ランキングなので日本語が来るかと思いきや、2位につけれたのは7件に留まり、中国語の方が15件と多い結果となりました。意外に多かったのはイタリア語で2位につけたのが5件もありました。
食べログとトリップアドバイザーの言語比較
(アドリンク調べ)
食べログの口コミ件数とトリップアドバイザーの日本語でのコメント数を1〜5位までを色つけて比較してみました。 食べログは日本人ほぼ100%の口コミサイトです。また、トリップアドバイザーの日本語はほぼ日本人しか書きません。よって、食べログで評価されているものはトリップアドバイザーの日本語の件数と比例するのでは?と考えていたのですが、この表を見るとそうとは言い切れないようです。 大きな違いとして、トリップアドバイザーの日本語件数で1位、2位はどちらも食べログとは一致していないことが挙げられます(同率2位の片方は一致しています)。よって、食べログにコメントしている日本人とトリップアドバイザーにコメントしている日本人の属性があまり被っていない可能性があります。
コメント
フレンドリー、英語が話せる
やはりフレンドリーで英語での会話ができることを評価するコメントは多いです。小さくて、対面するようなお店では基本的には英語が話せた方が外国人のお客さんはつきやすいようです。
特別な体験
このようにパフォーマンスでも人を呼び込むことができます。ちなみに、このお店の日本語のコメントを見ると味は「・・・」とのこと。
ベジタリアンなどの食事対応
やはり、ベジタリアンのための食事があることは受けているようです。また、お好み焼きの人気の秘密がベジタリアン向けに作りやすいことも大きいと思います。
アドリンクが思う外国人に好かれるための6つの成功パターン
1.立地条件
今回のランキングでは外国人に人気である北海道や沖縄、高野山で有名な和歌山も入っていませんでした。これはこの都道府県のお店で外国人が大挙して押しかけるようなお店がまだないということです。今のうちに対策をすれば、ランキング上位に入る可能性があります。
2.クレジットカード
ランキングに入っているお店はクレジットカードを取り入れているお店が一般よりも多いです。なので、クレジットカードは外国人を集める上で有効な手段のうちの1つでしょう。また、最近はクレジットカードだけでなく、ビットコインなどの仮想通貨での決済も人気になりつつあります。先行導入で差別化が図れるポイントなので要注目です。
3.特殊な食事対応
ベジタリアン、グルテンフリー、ハラール、ヴィーガン料理など、これがなければお店に入らない人たちはたくさんいます。しかし、まだまだ対応しているところは稀です。グルテンフリーを押し出して、一気に10位以内に入った『グルテンフリーカフェ リトルバード』の次に続きましょう。
4.英語対応の有無
HPはもちろんのこと、店員自体も英語がしゃべれるに越したことはないようです。コメントでも評価の対象に英語が流暢と褒めているものが多々見受けられました。ただ、今すぐ英会話をマスターだ! なんてことになれば、時間がかかりすぎます。たしかに、英語を話せるに越したことはないですが、対応を求められる項目はだいたい決まっているため、そのフレーズさえ覚えてしまえばそんなに苦ではありません。
5.フレンドリー
トリップアドバイザーに登録している人は海外旅行によく行く層です。そのため、他文化にもっと触れたいと思っている人が多いです。なので、フレンドリーに話せる方が喜ばれます。ただ、これは価格帯に応じてだとは思います。高級店では基本的にフレンドリーさを求めていないようでした。
6.特別な体験
『ニーノ』では書道のうまい店主がお客の名前を漢字で書くサービスが人気のようです。また、『めん馬鹿一代』では燃え上がる炎が体験できるということでこれもすごく人気です。このように特別な体験を提供するのも有効な手段です。また、目の前で料理が作られるものが人気な傾向にあります。お寿司や鉄板焼きがランキングに多いのがその裏付けです。
まとめ
あなたのお店でも活かせそうなものはありましたか? これからも爆発的に増えることが予想されるインバウンド需要。増え始めの今が外国人の心をガッと掴む最大のチャンスです。 アドリンクでも外国人集客のお手伝いは今まで相当数対応し、成果を出しています。 何から手をつけて良いかわからない場合でも気軽にお問い合わせください。 全力で対応させていただきます。