ミシュランガイドといえばレストランやホテルを星の数で格付けをするガイドブック、レッド・ミシュランが有名ですが、日本では2007年に東京・横浜・鎌倉版が発刊された他、2010年には京都・大阪・神戸版も発刊され、以降改訂版や特別版として他地域版も出版されている権威あるガイドブックです。
ミシュランガイドとは
そもそもミシュランガイドとはフランスのタイヤメーカー・ミシュラン社がパリ万博開催の1900年に自動車を運転する人のためのガイドブックとして発行されたのが始まりで、現在最も有名なレストランを星の数で格付けする方式は1930年にスタートしています。 調査はミシュランの社員が匿名で行なわれますが、星による評価は下記のような意味を持っています。
1つ星 その分野で特に美味しい料理 2つ星 極めて美味であり遠回りをしてでも訪れる価値がある料理 3つ星 それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理
ガイドブックには星が付かないレストランも掲載されており、掲載されているだけで一定の評価に値することを意味しています。
これによる効果はどれくらいか
ミシュランで星を獲得するということは大変な名誉となるわけですが、具体的にどのような効果があるのでしょうか? 一般的には星を1つ獲得すると売り上げが30%増加すると言われています。 2016年に発刊された「ミシュランガイド東京2016」では東京・巣鴨のラーメン店「Japanese Soba Noodles 蔦」が1つ星を獲得しました。もともと人気店であり、行列ができるお店として知られていたこのお店ですが、ミシュランガイド東京2016の発売翌日には100名以上の行列が昼間からできたと言いますので、その影響力は非常に大きいと言えるでしょう。
掲載される条件
ミシュランガイドに掲載されるまでには下記のようなプロセスをたどります。
匿名調査
5年から10年間、ホテルやレストラン業界で経験を積んだミシュラン社員による匿名調査が行われます。
訪問調査
匿名調査で評価を得た後はミシュラン写真であるという身分を公開して訪問調査が行われます。 訪問調査ではレストランやホテルの経営者を対象として聞き取りが行われます。
最終決定
このようにして選別された飲食店やホテルは調査員の報告書、読者からの意見を踏まえつつ、調査員全員による合意で星の数が決定されます。 ミシュランガイドで星を獲得する難しさをお分かりいただけたでしょうか?このようにしてミシュランガイドは権威と影響力を保ち続けているのです。
あなたもミシュラン掲載を狙ってみては
事例として挙げた「Japanese Soba Noodles 蔦」が星を1つ獲得した、という事実はこれまでは高級店が星を獲得していたミシュランガイドが安くておいしい料理にも目を向けているという意味でもあります。 高級料理、大衆的という値段的な価値に関わらず、日本の文化を発信しているという点でおいしさを求める努力を続けることが素晴らしい結果につながるという、勇気をもらえる出来事です。 飲食店を経営しているあなたにもミシュラン掲載のチャンスがあるかもしれませんよ!